【三焦】謎の臓腑「三焦(さんしょう)」とは?~全身を繋ぐ、気と水のハイウェイ~【とろLabo用語集】

【三焦】謎の臓腑「三焦(さんしょう)」とは?~全身を繋ぐ、気と水のハイウェイ~【とろLabo用語集】

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
六腑の働きを深掘りするシリーズ、ついに最後のメンバーの登場です!今回は、東洋医学の中でも、最もユニークで、そして少しミステリアスな存在「三焦(さんしょう)」について、皆さんの「?」にQ&A形式で優しくお答えしていきます!

Q1. とろさん、「三焦(さんしょう)」って、一体何ですか?そんな臓器、聞いたことないけど…

はい、お答えします!
それもそのはず、「三焦」は、現代医学には存在しない、東洋医学独自の概念なんです。
そして、他の臓腑のように、具体的な形を持たない「無形の腑」とされています。「腑」なのに形がない、なんて、とても不思議ですよね。
「三焦」とは、私たちの体を「上焦(じょうしょう)」「中焦(ちゅうしょう)」「下焦(げしょう)」という3つのエリアに分けた、その空間的な区画そのものを指し、そして、その空間を貫く「気」と「津液(体内の水分)」が巡るための、体全体に広がる巨大なネットワーク(通り道)だと考えられているんです。
まさに、全身を繋ぐ「気と水のハイウェイ」のような存在ですね!

Q2. 「上焦・中焦・下焦」って、それぞれどの部分のこと?

はい、この3つのエリア分けは、臓腑の位置と機能で考えられています。

  • 上焦(じょうしょう):
    横隔膜より上の、胸の部分を指します。ここには、が含まれます。
    働きとしては、呼吸によって得た気や、心臓が送り出す血を、霧のように全身に散布する役割を担っています。
  • 中焦(ちゅうしょう):
    横隔膜の下から、おへそのあたりまでを指します。ここには、が含まれます。
    働きとしては、飲食物を消化吸収し、そこからエネルギーである「気」や「血」を生み出す、消化と生産の中心地です。
  • 下焦(げしょう):
    おへそより下の、下腹部を指します。ここには、大腸小腸膀胱が含まれます。
    働きとしては、小腸が栄養と不要物を分別し、腎と膀胱が不要な水分を尿として排泄する、排泄と浄化の中心地です。

Q3. 「三焦」の具体的な働きって、結局何なの?

はい、形はないけれど、「三焦」には二つの非常に重要な働きがあります。

  1. 諸気(しょき)の働きを統括し、全身の気を巡らせる:
    「三焦」は、全身の様々な「気」の働きを統括し、気がスムーズに昇ったり、降りたり、入ったり、出たりするための「通路」としての役割を担っています。この通路が滞りなく流れていることで、私たちの生命活動は円滑に行われるのです。
  2. 水液運行の通路となる:
    「三焦」は、体内の水分(津液)が巡るための「通り道」でもあります。消化器(脾)で作られ、肺によって散布された津液が、この三焦という通路を通って全身を潤し、そして最後は膀胱から尿として排泄されます。この通路が滞ると、むくみや、尿の出が悪くなる、といった水分代謝の異常が起こりやすくなります。

Q4. じゃあ、「三焦」の調子が悪くなると、どうなるの?

はい、「三焦」は全身のネットワークなので、その働きが乱れると、特定のエリアに不調が現れやすくなります。

  • 上焦の不調: 呼吸器系や循環器系のトラブル。例えば、咳、痰、動悸、息切れなど。
  • 中焦の不調: 消化器系のトラブル。例えば、食欲不振、胃もたれ、お腹の張りなど。
  • 下焦の不調: 泌尿器系や排泄系のトラブル。例えば、頻尿、残尿感、便秘、下痢など。

このように、様々な症状が、「三焦」という通路のどこが滞っているかによって現れてくる、と考えるんですよ。

【今日のまとめ】見えない“通路”を意識して、全身の巡りをスムーズに!
「三焦」という、形はないけれど、私たちの体全体を繋ぎ、エネルギーと潤いの巡りを支える、壮大なネットワークの存在が、少しお分かりいただけたでしょうか?
全身の気や水の巡りが良いことが、健康の基本です。
特定の場所の不調だけでなく、「体全体の流れ」という大きな視点を持つことが、根本的な体質改善への、大切な一歩になるかもしれませんね。