【六臓六腑・脾】元気の“お母さん”!東洋医学の「脾(ひ)」とは?~食欲不振・疲れやすさの鍵~【とろLabo用語集】

【六臓六腑・脾】元気の“お母さん”!東洋医学の「脾(ひ)」とは?~食欲不振・疲れやすさの鍵~【とろLabo用語集】

「最近、なんだか食欲がないな…」
「しっかり寝ているはずなのに、日中もだるくて疲れやすい…」
「食べた後、お腹が張って苦しくなることが多い…」

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
五臓の働きを深掘りするシリーズ、今回は「肝」「心」に続く第三弾!私たちの元気の源を産み出してくれる、とっても大切な「お母さん」のような臓腑、「脾(ひ)」について、皆さんの「?」にQ&A形式で優しくお答えしていきます!

Q1. とろさん、東洋医学の「脾(ひ)」って、西洋医学の「脾臓(ひぞう)」とは違うんですよね?

はい、その通りです!これは非常に重要なポイントですね。
西洋医学でいう「脾臓」は、主に免疫機能や血液の調整に関わる臓器です。
しかし、東洋医学でいう「脾」は、その働きが大きく異なり、主に飲食物の消化吸収、そしてそこからエネルギー(気や血)を作り出し、全身に運ぶという、消化器系全体の働きを統括する「工場長」のような役割を担っています。
私たちの体を作る全ての材料は、この「脾」の働きによって生み出される、と言っても過言ではない、まさに「後天の元気の源」なんです。

Q2. 「脾」の最も大切な働き、「運化(うんか)」って何ですか?

はい、「脾」の最も中心的な働きが、この「運化(うんか)」作用です。
これは、「運搬」と「化生」を合わせた言葉で、

  1. 飲食物を消化し、そこから栄養豊富な物質(これを「水穀の精微(すいこくのせいび)」と言います)を取り出す【化生】
  2. そして、その栄養豊富な物質を、体に必要な「気」や「血」に変え、全身(特に肺)に送り届ける【運搬】

という、二つの働きを指します。
この「運化」が正常に行われることで、私たちは日々の活動に必要なエネルギーを得て、体を栄養することができるのです。

Q3. 他にも「脾」には重要な働きがあるの?

はい、もう一つ、ぜひ知っておいていただきたいのが「統血(とうけつ)」という働きです。
これは、「血(けつ)」が脈管(血管ですね)から漏れ出ないように、しっかりと統率し、コントロールする働きを指します。
もし、「脾」の統血作用が弱まると、不正出血や、青あざができやすい、といった症状が現れることがあります。
「気」が血を漏らさないようにする「固摂作用」とも、深く関わっていますね。

Q4. 「脾」の調子が悪くなると、どんなサインが現れるの?(脾気虚:ひききょ)

はい、「脾」の働きが弱り、エネルギー(気)を十分に作れなくなった状態を、東洋医学では「脾気虚(ひききょ)」と言います。これは、様々な不調の根本原因となりやすい、非常によく見られるパターンです。

  • 消化器系のサイン:
    • 食欲不振: そもそも食欲が湧かない。
    • お腹の張り: 食べた後、お腹が張って苦しい(食後腹満)。
    • 軟便・下痢: 消化吸収がうまくいかず、便がゆるくなりやすい。
  • 全身のサイン:
    • 疲れやすい、だるい(倦怠感): エネルギー(気)不足の典型的な症状です。
    • 手足がだるい、力が入らない: 脾は四肢(手足)を主るとも言われ、働きが弱ると手足に力が入りにくくなります。
    • 顔色が黄色っぽく、くすむ: 血を十分に作れなくなるため、顔色にも影響が出ます。
    • むくみやすい: 水分代謝の調整も担っているため、働きが弱るとむくみの原因にもなります。

Q5. じゃあ、「脾」を元気にして、エネルギーをしっかり作るためには、どうしたらいいの?

はい、「工場長」である「脾」が、元気に働けるような環境を整えてあげることが何よりも大切です!特に「脾」は、湿気冷えをとても嫌う、という性質があります。

  • 冷たい飲食物を避ける:
    冷たいもの、生ものは、「脾」の働きを直接的に弱めてしまいます。できるだけ火を通した、温かい食事を心がけましょう。飲み物も、常温か温かいものがおすすめです。
  • よく噛んで、腹八分目:
    よく噛むことは、「脾」の消化の負担を軽くする第一歩です。また、食べ過ぎも「脾」を疲れさせてしまうので、「もう少し食べたいな」というところでやめておくのが理想です。
  • 甘味を上手に取り入れる:
    五行論では、「脾」は「甘味」と関連が深いとされています。ただし、白砂糖のような精製された甘さではなく、お米や、かぼちゃ、さつまいも、栗といった、自然で、ほのかな甘みを持つ食材が、「脾」を養い、元気をつけてくれると言われています。
  • 思い悩まない:
    「思」という感情は「脾」と繋がっています。考えすぎたり、思い悩んだりすることが続くと、「脾」の働きを弱めてしまうことがあります。適度な気分転換も大切ですね。

【今日のまとめ】“元気のお母さん”を労って、エネルギー溢れる毎日を!

東洋医学の「脾」が、私たちの消化吸収だけでなく、日々の元気や活力そのものを生み出す、非常に重要な「お母さん」であり、「工場長」であることが、少しお分かりいただけたでしょうか?
もしあなたが、食欲不振や、なかなか取れない疲れに悩んでいるとしたら、それはあなたの「脾」が「少し疲れているよ、休ませて」とサインを送っているのかもしれません。
ご自身の“元気のお母さん”を大切に労ってあげることが、エネルギーに満ち溢れた、健やかな毎日へと繋がっていくはずです。

「とろLabo」は、あなたの「心も体も頭も健康に」を、これからも応援しています!