【胃】“受け入れる”器!東洋医学の「胃」とは?~消化の始まりと食欲の謎~【とろLabo用語集】

【胃】“受け入れる”器!東洋医学の「胃」とは?~消化の始まりと食欲の謎~【とろLabo用語集】

「最近、胃がもたれやすい…」
「食欲がなかったり、逆にお腹が空きすぎたりする…」
「ゲップや吐き気がよく出る…」

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
六腑の働きを深掘りするシリーズ、今回は五臓の「脾」のパートナーであり、私たちの消化活動のスタート地点となる、「胃(い)」について、皆さんの「?」にQ&A形式で優しくお答えしていきます!

Q1. とろさん、東洋医学の「胃」って、現代医学の胃と同じ?

はい、良い質問ですね!
東洋医学の「胃」は、六腑の中でも、現代医学のイメージと非常に近い働きを担っています。
その主な役割は、口から入ってきた飲食物を「受け入れ(受納:じゅのう)」、そしておかゆ状になるまで「初期消化(腐熟:ふじゅく)」することです。
まさに、食べ物を受け入れる大きな「器」であり、消化の第一段階を担当する、大切な場所なんですよ。

Q2. 「胃」の最も大切な働きについて、詳しく教えて!

はい、「胃」の働きを理解する上で重要なのが、先ほども少し触れた「受納(じゅのう)」「腐熟(ふじゅく)」です。

  1. 受納を主る(じゅのうをつかさどる):
    これは、口から入ってきた飲食物を、一時的に受け入れて貯蔵する働きのことです。この「受納」機能が正常だからこそ、私たちは食事を美味しくいただくことができます。もしこの働きが弱まると、食欲不振になったり、食べてもすぐにお腹がいっぱいになったりします。
  2. 腐熟を主る(ふじゅくをつかさどる):
    「腐熟」とは、受け入れた飲食物を、ドロドロのおかゆ状になるまで、本格的な消化の第一段階を行うことです。この働きによって、次の「小腸」での栄養吸収がスムーズに進むようになります。

そして、もう一つ大切なのが、「胃気(いき)」は下に降りるのが正常だということです(これを和降:わこうと言います)。消化したものを、スムーズに小腸へと送っていく、この下向きの流れがとても重要なんです。

Q3. 「胃」の調子が悪くなると、どんなサインが現れるの?

はい、「胃」の働きが乱れると、先ほどの「下向きの流れ」が逆流してしまうことが多いのが特徴です。

  • 胃気の逆流(胃気上逆:いきじょうぎゃく): 「胃気」が正常に下へ降りず、逆に上へと突き上げてくる状態です。
    • 吐き気、嘔吐
    • ゲップ、しゃっくり
    • 胸やけ、胃酸の逆流
      といった症状が現れやすくなります。
  • 胃の熱(胃熱:いねつ): 辛いものや脂っこいものの摂りすぎで、胃に過剰な熱がこもった状態です。
    • 異常な食欲亢進(食べても食べてもお腹が空く)
    • 口臭が強くなる
    • 歯茎の腫れや痛み、口内炎
  • 胃の潤い不足(胃陰虚:いいんきょ): 体の潤いが不足し、胃が乾燥してしまった状態です。
    • 食欲がない、あるいはあまり食べられない
    • みぞおちのあたりがシクシクと痛む
    • 口や唇が渇く、便が硬くなる

Q4. じゃあ、「胃」を健やかに保つためには、どうしたらいいの?

はい、私たちの食生活と密接に関わる「胃」は、日々のちょっとした心がけで、元気にすることができますよ!

  • よく噛んで、ゆっくり食べる:
    よく噛むことは、胃の「腐熟(消化)」の仕事を助ける、一番のサポートになります。
  • 冷たいもの、生ものを避ける:
    冷たい飲食物は、胃の働きを弱めてしまいます。できるだけ火を通した、温かい食事を心がけましょう。
  • 暴飲暴食をしない:
    食べ過ぎは、胃の「受納」のキャパシティを超えてしまい、大きな負担をかけます。腹八分目を心がけましょう。
  • 刺激物の摂りすぎに注意:
    辛すぎるものや、脂っこすぎるものは、胃に「熱」を生み出す原因になります。

【今日のまとめ】“消化の入り口”「胃」をいたわって、美味しい毎日を!
「胃」が、ただ食べ物を溜めるだけでなく、それを受け入れ、消化しやすい形に変え、そして次の工程へとスムーズに送り出す、という重要な第一段階を担っていることが、お分かりいただけたでしょうか?
この「胃」を大切にいたわることが、食事を美味しく楽しみ、そしてその栄養をしっかり自分の力に変えていくための、大切な一歩になるのです。