【六臓六腑・心】心の王様!東洋医学の「心(しん)」とは?~動悸・不眠と精神の関係~【とろLabo用語集】

【六臓六腑・心】心の王様!東洋医学の「心(しん)」とは?~動悸・不眠と精神の関係~【とろLabo用語集】

「最近、理由もなくドキドキすることがある…」
「夜、なかなか寝付けないし、夢ばかり見て眠りが浅い…」
「なんだか気持ちがソワソワして、落ち着かない…」

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
五臓の働きを深掘りするシリーズ、第一回の「肝」に続き、第二回は、五臓六腑の「君主(くんしゅ)の官」、つまり「王様」とも言われる、最も重要な臓腑の一つ、「心(しん)」について、皆さんの「?」にQ&A形式で優しくお答えしていきます!

Q1. とろさん、東洋医学の「心(しん)」って、心臓のことですか?

はい、良い質問ですね!
前回お話しした「肝」と同じように、東洋医学でいう「心」も、現代医学の「心臓」の働きと重なる部分と、独自の広い役割を持っているんですよ。
もちろん、「血(けつ)」を全身に送り出す「ポンプ」としての役割は共通しています。
しかし、東洋医学の「心」が「王様」や「司令塔」と呼ばれる最大の理由は、私たちの全ての精神・意識活動を統括している、と考える点にあるんです。

Q2. 「心」の主な働きについて、もう少し詳しく教えて!

はい、「心」の主な働きは、大きく分けて二つあります。どちらも私たちの生命活動にとって、非常に重要です。

  1. 血脈(けつみゃく)を主る ~全身を巡る、生命の川の流れ~:
    これは、現代医学の心臓の働きと最も近い部分ですね。「心」は、ポンプのように力強く拍動することで、「血」を脈管(血管のことです)を通じて、体の隅々まで送り届けています。この働きが正常だからこそ、私たちの体は栄養され、顔色も良く、元気に活動できるのです。この働きが弱まると、顔色が悪くなったり、動悸がしたり、脈が弱くなったりします。
  2. 神明(しんめい)を主る ~精神・意識活動の司令塔~:
    こちらが、東洋医学における「心」の、最も特徴的で重要な働きです。「神明」とは、意識、思考、記憶、睡眠、そして感情といった、全ての精神活動のことを指します。東洋医学では、これらの精神活動は全て、「心」が統括していると考えるのです。
    「心」が健やかで、栄養である「血」が十分に満たされている時、私たちの精神は安定し、思考は明晰になり、夜はぐっすり眠ることができます。逆に、「心」の働きが乱れると、精神的に不安定になりやすいと考えられています。

Q3. 「心」の調子が悪くなると、どんなサインが現れるの?

はい、「心」の不調は、体のサインと心のサイン、両方に現れやすいのが特徴です。代表的なものを二つご紹介しますね。

  • 心血虚(しんけっきょ):
    「心」を養う「血」が不足してしまった状態です。精神を安定させる土台が揺らぐため、
    • 精神的なサイン: 不安感、物忘れしやすい、集中力の低下、なかなか寝付けない、夢を多く見る、といった不眠の症状が出やすくなります。
    • 身体的なサイン: 動悸、めまい、顔色が青白い、舌の色が白っぽい、など。
  • 心火(しんか):
    ストレスや過労などで、「心」に過剰な「熱」がこもってしまった状態です。精神が過度に興奮してしまうため、
    • 精神的なサイン: イライラ、焦燥感、落ち着かない、興奮して眠れない。
    • 身体的なサイン: 顔が赤い、口が渇く、口内炎や舌の先にできものができやすい、胸のあたりが熱く感じる、など。

Q4. じゃあ、「心」を健やかに保つためには、どうしたらいいの?

はい、「王様」である「心」が、穏やかに、そして力強く働けるように、日々の生活でサポートしてあげることが大切ですね!

  • 質の良い睡眠を心がける:
    「心」の不調は、睡眠に直結します。逆に、質の良い睡眠は、「心」を養う上で最も重要です。特に、精神が昂りやすい夜は、リラックスできる環境を整え、穏やかな気持ちで眠りにつくことを意識しましょう。
  • 激しい感情の動きを避ける:
    「喜び」も、度が過ぎると「心」を傷つける、と東洋医学では考えます。もちろん、喜びは素晴らしい感情ですが、過度に興奮しすぎたり、精神的な浮き沈みが激しかったりするのは、「心」にとっては大きな負担になります。穏やかな心を保つことを目指しましょう。
  • 赤い食材を適度に取り入れる:
    五行論では、「心」は「赤色」と関連が深いとされています。例えば、クコの実、なつめ、トマト、パプリカといった赤い食材は、「心」の血を養うのを助けると言われています。
  • お昼寝(午睡)もおすすめ:
    東洋医学では、お昼(午の刻:11時~13時)は「心」の働きが最も高まる時間とされています。この時間に15~20分程度の短いお昼寝をすることは、「心」のエネルギーを養い、午後の活動の質を高めるのに非常に効果的だと言われていますよ。

【今日のまとめ】“心の王様”を大切に、穏やかな毎日を!

東洋医学の「心」が、私たちの体の循環だけでなく、思考や感情、睡眠といった、精神活動全体の司令塔であることが、少しお分かりいただけたでしょうか?
もしあなたが、原因の分からない動悸や不眠、不安感に悩んでいるとしたら、それはあなたの「心」が「少し疲れているよ」と送っているサインかもしれません。
ご自身の“心の王様”を大切に労ってあげることが、穏やかで、そして健やかな毎日へと繋がっていくはずです。

「とろLabo」は、あなたの「心も体も頭も健康に」を、これからも応援しています!