【六臓六腑・肺】体のバリア機能!東洋医学の「肺」とは?~呼吸・肌・鼻の不調の鍵~【とろLabo用語集】

【六臓六腑・肺】体のバリア機能!東洋医学の「肺」とは?~呼吸・肌・鼻の不調の鍵~【とろLabo用語集】

「季節の変わり目に、いつも風邪をひいてしまう…」
「鼻がつまりやすかったり、鼻水が出やすかったりする…」
「なんだかお肌に潤いがなくて、乾燥しがち…」

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
五臓の働きを深掘りするシリーズ、今回は「肝」「心」「脾」に続く第四弾!私たちの呼吸だけでなく、体のバリア機能にも深く関わる、とてもデリケートで大切な臓腑、「肺(はい)」について、皆さんの「?」にQ&A形式で優しくお答えしていきます!

Q1. とろさん、東洋医学の「肺(はい)」って、肺臓のことですよね?

はい、その通りです!
東洋医学の「肺」は、現代医学の「肺臓」と同じく、呼吸を司るのが最も重要な役割です。
しかし、東洋医学では、それだけにとどまらない、さらに広い働きを持っていると考えられています。そのイメージは、まさに「国の外側を守る、国境警備隊」!外からの敵(病気の原因ですね)が侵入しないように、常に体を守ってくれている、とても頼もしい存在なんですよ。ただし、五臓の中では最も外気に触れる場所にあるため、非常にデリケートで、乾燥や寒さなどの影響を受けやすい「嬌臓(きょうぞう:か弱い臓器)」とも言われています。

Q2. 「肺」の主な働きについて、詳しく教えて!

はい、「肺」の主な働きは、大きく分けて三つあります。

  1. 気を主り、呼吸を司る(しゅき、こきゅうをつかさどる):
    これは、皆さんがイメージする通りの働きですね。自然界の清らかな空気(清気)を吸い込み、体内の不要なガス(濁気)を吐き出す、呼吸の中心的な役割を担っています。この呼吸を通じて、全身の「気」の生成や巡りにも深く関わっています。
  2. 宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)を主る ~全身に気と潤いを届ける~:
    少し難しい言葉が出てきましたね。「宣発」とは、気を体の表面や上方向へと散布する働き、「粛降」とは、気を体の内側や下方向へと降ろす働きのことです。この二つの働きによって、「肺」は、呼吸で得た気や、消化器(脾)から受け取った潤い(津液)を、全身の隅々まで行き渡らせているのです。まるで、スプリンクラーのように、上にも下にも、体の内外にまんべんなく気と潤いを届けてくれているイメージですね。
  3. 皮毛(ひもう)を主る ~体のバリア機能をコントロール~:
    「皮毛」とは、皮膚や体毛、汗腺のことです。「肺」は、体の最も外側にある皮膚や汗腺の働きをコントロールし、外からの病気の原因(邪気)の侵入を防ぐ「衛気(えき)」を散布しています。これが、「国境警備隊」と言われる所以ですね。この働きが正常だからこそ、私たちは風邪などをひかずに元気に過ごせるのです。

Q3. 「肺」の調子が悪くなると、どんなサインが現れるの?

はい、「肺」の働きが弱まると、呼吸器系だけでなく、皮膚や鼻など、関連する部分に様々なサインが現れやすくなります。

  • 呼吸器系のサイン:
    • 咳や痰: 特に、力がなく、コンコンと乾いた咳が出る(肺気虚・肺陰虚)。
    • 息切れ: 少し動いただけでも息が切れる。
    • 声に力がない: 「気」を生み出す力が弱まるため、声が小さくなる。
  • 鼻のサイン:
    • 「肺は鼻に開竅(かいきょう)する」と言われ、肺の不調は鼻に現れやすいです。鼻水、鼻づまり、くしゃみなど。
  • 皮膚のサイン:
    • 風邪をひきやすい: 衛気が不足し、体のバリア機能が低下するため。
    • 皮膚の乾燥: 潤いを全身に届ける力が弱まるため、肌がカサカサしやすくなる。
    • 汗の異常: 汗腺のコントロールがうまくいかず、汗をかきやすくなったり(自汗)、逆にかきにくくなったりする。

Q4. じゃあ、「肺」を元気にして、潤いを保つためには、どうしたらいいの?

はい、デリケートな「肺」は、「乾燥」をとても嫌います。ですから、「潤すこと」が養生の基本になります。

  • 白い食材で潤いを補う:
    五行論では、「肺」は「白色」と関連が深いとされています。梨、りんご、白きくらげ、百合根(ゆりね)、大根、豆腐、杏仁などは、「肺」を潤すのを助けると言われています。
  • 辛いものの摂りすぎに注意する:
    ネギや生姜などの辛いものは、適量であれば「肺」の発散作用を助けますが、摂りすぎると体を乾燥させ、「肺」の潤いを奪ってしまうことがあるので注意が必要です。
  • 深呼吸を心がける:
    ゆっくりと、深く呼吸をすることは、「肺」の働きを直接的に高め、気の巡りを良くする、とても簡単なセルフケアです。特に、朝の新鮮な空気を吸い込むのがおすすめです。
  • 適度な湿度を保つ:
    特に空気が乾燥する秋や冬、あるいはエアコンの効いた室内では、加湿器を使うなどして、喉や鼻の粘膜が乾燥しないように気をつけましょう。

【今日のまとめ】“体のバリア”「肺」を潤して、健やかな毎日を!

東洋医学の「肺」が、私たちの呼吸だけでなく、免疫力や肌の潤いまで司る、重要な「国境警備隊」であることが、少しお分かりいただけたでしょうか?
もしあなたが、風邪をひきやすかったり、お肌の乾燥に悩んでいたりしたら、それはあなたの「肺」が「潤いが足りないよー!」とサインを送っているのかもしれません。
ご自身の「肺」を優しく潤してあげることが、内側からも外側からも輝く、健やかな毎日へと繋がっていくはずです。