- とろLabo用語集
- 2025年6月21日
【気滞血瘀】“気”が滞ると“血”も滞る?~東洋医学の「気滞血瘀」への第一歩~【とろLabo用語集】
「イライラすると、決まって肩がパンパンに凝る…」「ストレスが……
「なんとなく疲れやすい」「季節の変わり目に調子を崩す」「同じものを食べても平気な時とそうでない時がある」
私たちの体質は人それぞれ違い、また毎日変化していますよね。病院に行くほどではないけれど、気になる体の不調や、「これって私だけ?」と思うような体の癖がある方も多いのではないでしょうか。
そんな複雑な「あなたの体」の声を聞き、理解するための面白い考え方が、東洋医学にはあります。それが「陰陽五行論(いんようごぎょうろん)」です。
一見難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はあなたの体質や不調の傾向を読み解き、日々のセルフケアに役立つヒントを与えてくれる、 powerful なツールなのです。
この記事では、東洋医学の基本である陰陽五行論を分かりやすく解説し、あなたの体質の傾向を知り、毎日の養生(ようじょう)に活かすヒントをご紹介します。
東洋医学では、私たちの体を含む宇宙全体が、互いに関連し合い、常に変化する「バランス」で成り立っていると考えます。
そのバランスを理解するための、最も基本的な考え方が「陰(いん)」と「陽(よう)」です。
例えば「昼と夜」「光と影」「暑いと寒い」「活動と休息」。世の中にある対立する二つの側面が、互いに影響し合い、どちらかが増えればもう一方が減る…といった関係性です。
私たちの体も同じ。起きている時(陽)と眠っている時(陰)、体を動かしている時(陽)と休んでいる時(陰)。健康とは、この陰と陽のバランスがほどよく保たれている状態です。どちらかが強すぎたり、弱すぎたりすると、体に不調として現れます。
そして、この陰陽という大原則が、私たちの体の中で具体的に「いつ(季節)」「どこで(臓器や体の一部)」「どのように(体質傾向や感情)」現れるのかを、さらに詳しく、五つの要素に分類して見立てるのが「五行論(ごぎょうろん)」です。
五つの要素とは、自然界にある「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)」。それぞれが持つ性質や関係性(相手を生み出したり、抑え合ったり)を、私たちの体の働きや不調に当てはめて考えていきます。
陰陽五行論は、単なるタイプ分けではなく、あなたの体の状態や、体調の崩れ方が「今、どういうパターンになっているか」を読み解くための、東洋医学独自の「視点」であり「ツール」なのです。
東洋医学でいう「体質」は、「あなたは〇〇タイプ!」と固定されるものではありません。誰もが五行全ての要素を持っていますが、その相対的なバランスや、特定の要素の働きが一時的に強くなったり、弱くなったりすることで、体調や不調の現れ方に「傾向」が見られると考えます。
ここでは、それぞれの要素のバランスが崩れたり、その要素の傾向が強く出たりした時に見られやすい、体質や不調の例を簡単にご紹介します。
いかがですか? いくつかの傾向が組み合わさる方もいるでしょう。あなたの「なんとなく不調」や「体質かな?」と思っていたことに、五行の視点から見るとヒントが見つかるかもしれません。
自分の体質の傾向や、今どの要素のバランスが崩れやすいかを知ることは、日々のセルフケア(養生)に繋がります。ここでは、それぞれの要素のバランスを整えるために、日常生活でできる簡単な方法をご紹介します。
これらの養生法は、あくまで一般的なヒントです。体調が優れない時は、無理せず専門家(医師、鍼灸師、漢方薬剤師など)に相談してくださいね。
東洋医学の陰陽五行論は、占いのように運命を決めつけるものではなく、あなたの体という複雑な小宇宙の「今」の状態を理解し、バランスを読み解くための知恵であり、パワフルなツールです。
自分の体質の傾向や、不調のパターンを五行の視点から見ることで、「なぜだろう?」と思っていた体の声に気づきやすくなります。そして、それぞれの要素に合わせた日々のセルフケア(養生)を取り入れることで、体のバランスを整え、不調を予防し、より心地よい毎日を送ることに繋がるでしょう。
ぜひ、陰陽五行論という羅針盤を使って、あなた自身の体と深く向き合ってみてくださいね。