- コミュニケーション
- 2025年7月21日
【リフレーミング】見方を変えれば、世界が変わる!魔法の思考法「リフレーミング」とは?【とろLabo用語集】
「自分は優柔不斷で、ダメだなあ…」「また仕事で失敗してしまっ……
【リード文(導入)】
「この重要な要求、なんとかして通したい…」
「でも、ストレートに頼んだだけでは、難しいかもしれない…」
仕事の重要な交渉や、少し無理のあるお願いなど、ここ一番で要求を通したい正念場。そんな時、あなたならどうしますか?
実は、そんな時こそ「あえて、一度相手にNOと言わせる」ことが、最終的なYESを引き出す鍵になるかもしれません。
今回は、前回ご紹介した「フット・イン・ザ・ドア」とは全く逆のアプローチを取る心理テクニック「ドア・イン・ザ・フェイス」を解説します。
「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(Door-in-the-face Technique)」とは、まず相手がほぼ確実に拒否するような過大な要求をし、それが断られた後に、より小さな、本命の要求を提示するという交渉術です。
セールスマンが、最初に高額な商品を提示して断られ(顔の前でドアを閉められ)た後、より安価な商品を提示して契約を取る、というイメージから名付けられました。
この一見、無謀に見えるテクニックが機能するのは、私たちの心に備わった「返報性の原理」のおかげです。
「返報性の原理」とは、「他人から何か施しを受けたら、お返しをしなければならない」と感じる心理のことです。
相手から見ると、あなたが最初の過大な要求から、より小さな要求へと変更することは「譲歩」という一種の「施し」に見えます。すると相手の心には、「相手が譲歩してくれたのだから、自分も断るばかりでなく、譲歩に応えなければ申し訳ない」という気持ちが芽生えるのです。
また、一度要求を断ったことによる、わずかな罪悪感も、次の要求を受け入れやすくする後押しとなります。
この少し高度なテクニックを成功させるためのステップを見ていきましょう。
最初に提示する要求は、断られることが前提の「捨て駒」です。ただし、あまりに非現実的すぎると、相手に不信感を与えたり、ふざけていると思われたりするので注意が必要です。相手が「うーん、それはさすがに無理だよ」と、真剣に悩んだ上で断るレベルが理想です。
あくまで本気でその要求を通したい、という態度で伝えます。相手に断られたら、少し残念そうな表情や間(ま)を置くのが効果的です。
「そうですか…では、せめてこれだけでもお願いできないでしょうか」と、一歩引いた形で本命の要求を提示します。
【具体例:職場で】
いきなり「20万円増額してください」と頼むよりも、相手が「100万円に比べれば…」「彼も譲歩してくれたし…」と考え、要求が通りやすくなります。
この2つのテクニック、どう使い分ければ良いのでしょうか。
「ドア・イン・ザ・フェイス」は、相手の心理を巧みに利用する、少し高度なテクニックです。乱用は禁物ですが、ここぞという場面で使えば、あなたの強力な武器となるでしょう。
大切なのは、相手を打ち負かすことではなく、お互いの譲歩点を見つけ出し、双方にとって良い結果に着地させること。そのための戦略の一つとして、頭の片隅に置いておいてください。