
「毎日なんだかモヤモヤする…」
「もっとスッキリ頭を整理して、物事を考えられるようになりたい!」
「どうすれば、もっと賢く、もっと効率的に問題解決できるんだろう?」
あなたは今、こんな風に感じていませんか?
情報が洪水のように押し寄せ、変化のスピードが速い現代社会。私たちは日々、たくさんの選択や決断を迫られ、時には複雑な問題に頭を抱えることも少なくありません。
もし、そんなあなたが「思考の武器」を手に入れ、日常の悩みや課題をクリアに解決し、目標達成に向けて力強く歩み出せるようになったとしたら…あなたの毎日は、もっと輝き始めると思いませんか?
この記事では、そんなあなたのための「思考の羅針盤」となる、代表的な3つの思考法――ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、そしてフレームワーク思考――について、その基本から具体的な実践方法、日常生活での活用例まで、分かりやすく徹底解説します。
「思考法なんて難しそう…」と感じるかもしれません。でも、心配はいりません!この記事を読み終える頃には、あなたもこれらの思考法を身につけ、まるで霧が晴れるように視界が開け、日々の問題解決や目標達成が驚くほどスムーズになることを実感できるはずです。
さあ、思考のトレーニングを始めて、昨日までの自分から一歩踏み出し、「デキる自分」へと進化する準備はできましたか? そのための具体的な方法を、この先で一緒にじっくりと見ていきましょう!
- 1. この記事では、クリティカルシンキングの具体的なステップをご紹介しましたが、「そもそも何に疑問を持てばいいの?」と感じた方もいるかもしれませんね。その「問題発見」の具体的な方法や、日常でアンテナを鋭くするための秘訣については、また別の機会にじっくりお話しできればと思っています。お楽しみに!
- 2. あなたの素晴らしい未来は、あなたの「考える力」が切り拓いていくのですから。
【ロジカルシンキング編】複雑な問題をスッキリ整理!論理の力で解決へ導く思考法
「なんだか頭の中がごちゃごちゃして、何から手をつければいいか分からない…」
「会議で自分の意見をうまく伝えられない…」
「問題の原因が特定できず、いつも場当たり的な対応になってしまう…」
そんな悩みを抱えていませんか? もしかしたら、それは「ロジカルシンキング(論理的思考)」を意識することで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
ロジカルシンキングとは?(概要)
ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理し、筋道を立てて矛盾なく考える思考法のことです。情報を整理し、分析し、結論に至るまでのプロセスを明確にすることで、複雑な問題をシンプルに捉え、より的確な判断を下せるようになります。感覚や経験だけに頼るのではなく、客観的な事実や根拠に基づいて考えることが特徴です。
ロジカルシンキングを身につけるメリット
ロジカルシンキングを身につけることで、以下のような多くのメリットがあります。
- 問題解決能力の向上: 問題の本質を見抜き、効果的な解決策を導き出せるようになります。
- コミュニケーション能力の向上: 自分の考えを分かりやすく、説得力を持って相手に伝えられるようになります。
- 意思決定の質の向上: 感情に流されず、客観的な情報に基づいて最適な判断ができるようになります。
- 業務効率の向上: 無駄な作業を減らし、優先順位をつけて効率的に仕事を進められるようになります。
- 学習能力の向上: 物事の構造を理解しやすくなり、新しい知識やスキルを効率的に習得できます。
【活用のためのステップ】今日から始めるロジカルシンキング実践法
ロジカルシンキングは、意識してトレーニングすることで誰でも身につけることができます。以下のステップを参考に、日常生活で実践してみましょう。
まず知っておきたい!分かりやすく伝える技術「PREP(プレップ)法」
本格的なステップに入る前に、ロジカルシンキングと非常に相性が良く、考えを整理したり伝えたりする際に役立つ「PREP法」についてご紹介します。PREP法とは、以下の頭文字を取ったもので、この順番で話や文章を構成するテクニックです。
- P = Point(結論): まず、最も伝えたい結論や要点を述べます。
- R = Reason(理由): 次に、その結論に至った理由や根拠を説明します。
- E = Example(具体例): そして、理由を裏付ける具体的な事例やデータを示します。
- P = Point(結論・再): 最後に、改めて結論を強調します。
この型を使うことで、話が分かりやすく整理され、相手に意図が伝わりやすくなります。
Step1:結論から考える(PREP法を意識する)
何かを伝えたり考えたりする時、「私の結論は〇〇です」とまず結論を明確にします。
次に「なぜなら、理由は3つあります」といった形で、その結論に至った理由や根拠を述べます。
そして、具体的な事例やデータで理由を補強し、最後にもう一度結論を繰り返します。(Point → Reason → Example → Point)
- 例: 「今日のランチはB定食が良いと思います。理由は、栄養バランスが良く、価格も手頃で、提供時間も早いからです。先日食べたA定食は脂質が多かったですが、B定食は野菜も多く、価格も50円安いです。10分以内に提供されるので、午後の会議にも間に合います。だから、B定食をおすすめします。」
Step2:事実と意見を区別する
情報に触れたとき、それが「客観的な事実」なのか、それとも「誰かの意見や解釈」なのかを意識的に区別します。
事実は誰が見ても同じように認識できるもの(例:昨日の売上は100万円だった)。意見は個人の価値観や推測が入るもの(例:この商品はもっと売れるはずだ)。
意思決定をする際は、まず事実をベースに考える癖をつけましょう。
Step3:「なぜ?」を繰り返す(深掘りする)
問題や事象に対して、「なぜそうなったのか?」「なぜそれが必要なのか?」と最低でも3回、できれば5回程度「なぜ?」を繰り返して問いかけ、根本的な原因や本質を探ります。
- 例: 「資料の提出が遅れた」→ なぜ?「PCの動作が遅かった」→ なぜ?「不要なソフトがたくさん入っていた」→ なぜ?「定期的なメンテナンスをしていなかった」→ なぜ?「メンテナンスの重要性を認識していなかった」。ここまで深掘りすると、取るべき対策が見えてきます。
Step4:MECE(ミーシー)を意識して情報を整理する
MECEとは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、「相互に排他的かつ網羅的」という意味です。つまり、「モレなく、ダブりなく」情報を整理する考え方です。
何かを分類したり、要素を洗い出したりする際に、このMECEを意識することで、思考のヌケモレを防ぎ、全体像を正確に把握できます。
- 例: 顧客層を分析する際に、「年齢(10代、20代、30代…)」「性別(男性、女性)」などでMECEに分類する。
Step5:フレームワークを使ってみる
世の中には、ロジカルシンキングを助けるための様々な「フレームワーク(思考の枠組み)」があります。例えば、3C分析、SWOT分析、PDCAサイクルなどです。
最初から完璧に使いこなせなくても良いので、まずは知っているフレームワークに当てはめて考えてみることで、思考が整理されやすくなります。
(※詳細は、後の「フレームワーク思考」の章で解説しますね!)
【具体例】遅刻が続くAさんの問題を「活用のステップ」で解決!
営業部のAさんは、最近、朝の会議に遅刻することが続いています。上司のBさんはAさんに注意しましたが、Aさんは「すみません、気をつけます」と謝るだけで、具体的な改善策は見えてきません。BさんはAさんの遅刻問題に対して、ロジカルシンキングを使ってアプローチすることにしました。
- 問題の明確化(What?):
- 「Aさんが朝の会議に遅刻する」という事実を確認。
- 頻度:今月に入って5回。
- 影響:会議の開始が遅れる、Aさんの業務に支障が出る可能性。
- 原因の分析(Why?): BさんはAさんにヒアリングし、遅刻の原因を探りました。
- Aさんの主張:「朝、なかなか起きられない」「準備に時間がかかる」
- Bさんの深掘り質問:「なぜ起きられないのか?」「準備のどの部分に時間がかかるのか?」
- 判明した根本原因:
- 前夜の残業で帰宅が遅く、睡眠時間が不足している。
- 朝食をしっかり準備しようとして時間がかかっている。
- 最寄り駅まで自転車だが、雨の日はバスを利用するため、通常より時間がかかることを考慮していなかった。
- 解決策の検討(How?): BさんとAさんは、原因に基づいて具体的な解決策を考えました。
- 睡眠不足に対して:
- 業務量の調整を検討する(Bさん)。
- 就寝時間を固定し、寝る前のスマホを控える(Aさん)。
- 朝食の準備時間に対して:
- 前日に下準備をしておく、または簡単なメニューにする(Aさん)。
- 雨の日の移動時間に対して:
- 天気予報を前日に確認し、雨の日は15分早く家を出る(Aさん)。
- バスの時刻表を再確認する(Aさん)。
- 睡眠不足に対して:
- 解決策の実行と評価:
- BさんはAさんの業務負荷を一時的に軽減。Aさんは上記の対策を実行。
- 1週間後、Aさんの遅刻はなくなり、会議にも集中して参加できるようになりました。Bさんは定期的に状況を確認し、必要であれば再度対策を見直すことを伝えました。
このように、感覚的に「だらしない」と決めつけるのではなく、問題を分解し、原因を特定し、具体的な対策を立てることで、根本的な解決に繋げることができました。
…このように、ロジカルシンキングは情報を整理し、筋道を立てて考えるための基本となる強力なツールです。しかし、論理的に整理された情報や結論が、果たして本当に「正しい」のでしょうか? 次は、その情報や考えを鵜呑みにせず、より深く本質を見抜くための思考法、「クリティカルシンキング」について見ていきましょう。ロジカルシンキングで土台を固めたあなたの思考を、さらに一段階レベルアップさせる鍵がここにあります。
【クリティカルシンキング編】鵜呑みにしない!“本当にそう?”と本質を見抜く思考の技法
「最近、テレビやネットで話題の健康法、本当に効果があるのかな…?」
「上司の指示だけど、なんだか腑に落ちない。もっと良い方法があるんじゃないか?」
「みんなが『良い』と言っている商品だけど、本当に自分に必要なんだろうか?」
情報が溢れる現代社会において、私たちは日々、様々な情報や意見にさらされています。そんな中で、物事の表面だけを見て鵜呑みにしてしまうのではなく、「本当にそうなのだろうか?」「なぜそう言えるのだろうか?」と一歩踏み込んで考える力が「クリティカルシンキング(批判的思考)」です。
クリティカルシンキングとは?(概要)
クリティカルシンキングとは、物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、客観的かつ論理的に分析することで、本質を見抜こうとする思考プロセスです。「批判的思考」と訳されますが、単に否定的な意見を持つことや、粗探しをすることではありません。むしろ、より良い結論や意思決定に至るために、建設的な疑問を持ち、深く考察する態度を指します。前提を疑い、隠れた仮定に気づき、感情や偏見に流されずに判断することを目指します。
クリティカルシンキングを身につけるメリット
クリティカルシンキングを身につけることで、以下のような多くのメリットがあります。
- より良い意思決定ができる: 情報に惑わされず、本質に基づいた判断ができるようになります。
- 問題発見・解決能力の向上: 表面的な問題だけでなく、根本的な原因や課題を発見し、創造的な解決策を生み出しやすくなります。
- 説得力・交渉力の向上: 自分の意見の根拠を明確にし、論理的に説明することで、他者を納得させやすくなります。
- デマや誤情報を見抜く力の向上: 情報の信憑性を吟味する習慣がつき、誤った情報に振り回されることを防げます。
- 自己成長の促進: 自分自身の考え方や価値観を客観的に見つめ直し、より柔軟で深い思考を育むことができます。
【活用のためのステップ】日常で実践!クリティカルシンキング
クリティカルシンキングは、日々の意識と訓練によって鍛えることができます。以下のステップを参考に、身の回りの情報や出来事に対して「クリティカルな目」を向けてみましょう。
- Step1:目的と問題を明確にする
- 何を考えようとしているのか、何について判断しようとしているのか、その目的や課題をはっきりさせます。
- 「この情報の目的は何か?」「ここで解決すべき問題は何か?」
- Step2:前提や思い込みを疑う
- 自分自身や他者が当たり前だと思っていること(前提)や、無意識の思い込み(バイアス)に気づき、それを疑ってみます。
- 「それは本当に常に正しいのか?」「何か見落としている前提はないか?」
- Step3:多角的な視点から情報を収集・分析する
- 一つの情報源や意見だけでなく、異なる立場からの情報や、反対意見、関連データなどを幅広く集めます。
- 集めた情報を客観的に分析し、事実と意見、推測を区別します。
- 「他の意見やデータはないか?」「この情報の根拠は信頼できるか?」
- Step4:論理的なつながりを検証する
- 情報や主張の間に、論理的な矛盾や飛躍がないかを確認します。
- 「その結論は、本当にその理由から導き出せるのか?」「隠れた論点はないか?」
- Step5:結論と行動を決定する(そして振り返る)
- 上記のステップを踏まえて、自分なりの結論を導き出し、具体的な行動を決定します。
- 行動した後も、その結果を振り返り、さらに思考を深めることが重要です。
- 「この結論から、どのような行動が考えられるか?」「その結果、何が起こりそうか?」
【コラム】見過ごしていませんか?日常に潜む「問題発見」のアンテナ
クリティカルシンキングの第一歩は、実は「何かがおかしいぞ?」「これは本当にそうなんだろうか?」と、現状や情報に対して疑問を持つこと、つまり「問題を発見する」ことから始まります。
しかし、私たちは忙しい毎日の中で、あるいは「みんながそう言っているから」「昔からこうだから」といった理由で、知らず知らずのうちに思考停止に陥り、目の前にあるはずの「問題の芽」を見過ごしてしまいがちです。テレビやSNSで流れてくる情報を鵜呑みにしてしまったり、常識だと思い込んでいることを疑わなかったり…。
でも、ちょっと待ってください。その「当たり前」は、本当に当たり前なのでしょうか?
「なぜなんだろう?」
「もっと良い方法はないのかな?」
「これって、誰にとって都合が良いんだろう?」
そんな小さな疑問の種を心の中に蒔くことが、クリティカルシンキングを起動させるスイッチになります。この「問いを立てる力」こそが、情報に流されず、本質を見抜き、より良い未来を創造していくための原動力となるのです。
この記事では、クリティカルシンキングの具体的なステップをご紹介しましたが、「そもそも何に疑問を持てばいいの?」と感じた方もいるかもしれませんね。その「問題発見」の具体的な方法や、日常でアンテナを鋭くするための秘訣については、また別の機会にじっくりお話しできればと思っています。お楽しみに!
【具体例】話題の「スーパーフルーツX」本当に買うべき?主婦Yさんのクリティカルシンキング
近所のスーパーで「奇跡のスーパーフルーツX!飲むだけで健康と美容をサポート!」という派手なポップと共に、高価なジュースが売られています。テレビでも有名なタレントが絶賛しており、Yさんの友人たちも「試してみようかな」と話しています。Yさんも一瞬心が動きましたが、ふと商品のポップに書かれた「飲むだけで」というあまりにも都合の良い言葉や、他の一般的なジュースと比べて明らかに高価な値段設定に、小さな疑問のアンテナがピクリと動きました。「本当に、そんな簡単なことで効果があるものなのだろうか?以前も似たようなキャッチフレーズの健康食品で、期待したほどの効果を感じられなかった経験があったような…」そんな過去の記憶もよぎり、Yさんは「これは一度立ち止まって考えてみる必要があるかもしれない」と感じました。そこでYさんは、クリティカルシンキングでこの「スーパーフルーツXジュース」について考えてみることにしました。
Yさんの思考プロセス(活用のステップを意識して):
- 目的と問題を明確にする(Step1)
- 目的: 自分にとって「スーパーフルーツXジュース」を購入する価値があるかどうかを判断する。
- 問題: このジュースが本当に宣伝通りの効果があり、価格に見合うものなのか?
- 前提や思い込みを疑う(Step2)
- 前提/思い込み①: 「テレビでタレントが紹介しているくらいだから、きっと良いものだろう」
- → 疑い:「タレントは宣伝のために言っているだけかもしれない。個人的な感想と客観的な効果は別では?」
- 前提/思い込み②: 「スーパーフルーツと書いてあるから、普通の果物より格段に栄養価が高いはずだ」
- → 疑い:「“スーパー”とは具体的に何がどう優れているのか?他の安価な果物で代替できないのか?」
- 前提/思い込み③: 「友人も興味を持っているし、買わないと損するかもしれない」
- → 疑い:「みんなが欲しがるものが、必ずしも自分に合うとは限らない。流行に流されていないか?」
- 前提/思い込み①: 「テレビでタレントが紹介しているくらいだから、きっと良いものだろう」
- 多角的な視点から情報を収集・分析する(Step3)
- 情報収集①(商品の詳細): パッケージの成分表示を確認。主要成分は「フルーツX濃縮還元果汁、果糖ぶどう糖液糖、香料…」。フルーツXの含有量は不明。
- 情報収集②(フルーツXについて): インターネットで「フルーツX 効果」「フルーツX 栄養価」などで検索。いくつかの学術的な情報は見つかったが、多くは販売業者のサイトや個人の体験談。信頼できる第三者機関による大規模な研究結果は少ない。
- 情報収集③(口コミ・評判): SNSやレビューサイトを確認。「効果があった」という声もあれば、「高価な割に変化なし」「味が甘すぎる」といった否定的な意見も散見される。
- 情報収集④(代替品): 日常的に摂取できる他の果物(リンゴ、バナナ、みかんなど)の栄養価と価格を比較。
- 論理的なつながりを検証する(Step4)
- 「飲むだけで健康と美容をサポート」という宣伝文句は、具体的な効果や根拠が曖昧ではないか?
- タレントの推薦は、商品の客観的な評価と直結するのか?(権威への訴えかけになっていないか?)
- 「高価=高品質」という論理は必ずしも成り立たないのでは?
- 結論と行動を決定する(Step5)
Yさんは収集・分析した情報をもとに、以下のような結論に至りました。- 「スーパーフルーツX」自体には一定の栄養価があるかもしれないが、ジュースとしての効果やコストパフォーマンスには疑問が残る。
- 宣伝文句は誇張されている可能性があり、高価なジュースを購入するよりも、バランスの取れた食事や他の安価な果物で栄養を摂取する方が現実的で経済的かもしれない。
- 友人が購入するかどうかは、自分の判断とは切り離して考えるべきだ。
…クリティカルシンキングによって、物事の前提を疑い、多角的な視点から本質を捉えることの重要性が見えてきましたね。「本当にそうか?」と問い続けることで、より深く、より客観的な理解へと近づけます。では、そうして得た気づきや、解決すべき課題を、具体的にどのように整理し、行動へと繋げていけば良いのでしょうか? そこで役立つのが、思考の「型」である「フレームワーク思考」です。次に、このフレームワーク思考を使いこなし、具体的な成果を生み出す方法を探っていきましょう。
【フレームワーク思考編】思考を型にはめて効率化!代表的な手法と「PDCAサイクル」活用術
「目標を立てても、いつも三日坊主で終わってしまう…」
「仕事で改善を指示されたけど、何から手をつければいいか分からない…」
「もっと効率よく勉強したいけど、どうすればいいんだろう?」
前回までのロジカルシンキングやクリティカルシンキングで、物事を整理し、深く考えることの重要性が見えてきたでしょうか。今回は、それらの思考をさらに具体的な行動や成果に結びつけるための強力な武器、「フレームワーク思考」をご紹介します。
フレームワーク思考とは?
フレームワーク思考とは、様々な問題解決や意思決定、アイデア発想などの場面で活用できる「思考の枠組み(テンプレート)」を利用して、効率的かつ効果的に思考を進めていくアプローチのことです。先人たちが試行錯誤の末に編み出した、いわば「賢者の知恵袋」のようなもので、これを使うことで、複雑な情報を整理しやすったり、見落としがちな視点に気づけたり、議論の共通言語ができたりと、多くのメリットがあります。闇雲に考えるのではなく、適切な「型」にはめて考えることで、思考のスピードと質を格段に向上させることができるのです。
世の中には、実に多種多様なフレームワークが存在します。例えば…
- SWOT分析(スウォットぶんせき): あなたや組織の「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」といった内部環境と、「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」といった外部環境を整理・分析し、戦略立案に役立てる手法です。
- 3C分析(さんシーぶんせき): 「顧客(Customer)」「自社(Company)」「競合(Competitor)」の3つの視点から市場環境を分析し、事業の成功要因を見つけ出すためのフレームワークです。
- ロジックツリー: 問題や課題を、まるで木の枝が分かれるようにMECE(モレなくダブりなく)に分解し、原因究明や具体的な解決策の洗い出しに役立てる思考ツールです。
これらはほんの一例で、他にも特定の目的や状況に応じた無数のフレームワークがあります。
今回は、これら数あるフレームワークの中から、特に個人の行動改善や目標達成に役立ち、日常生活でも応用しやすい代表的なフレームワークの一つである「PDCAサイクル」について、詳しく見ていきましょう。
PDCAサイクルとは?
PDCAサイクルは、品質管理の父とも呼ばれるデミング博士らによって提唱された、継続的な業務改善のためのフレームワークです。以下の4つのステップの頭文字を取って名付けられました。
- P = Plan(計画): 目標を設定し、それを達成するための具体的な行動計画を立てます。
- D = Do(実行): 計画に基づいて行動を実行します。
- C = Check(評価): 実行した結果が、計画通りだったか、目標に近づけたかを評価・分析します。
- A = Action(改善): 評価結果を踏まえ、計画や行動の問題点を改善し、次のサイクルに繋げます。
このP→D→C→Aというサイクルを繰り返し回していくことで、業務や個人の行動を継続的に改善し、目標達成へと近づけていくことができます。
PDCAサイクルを身につけるメリット
PDCAサイクルを意識して実践することで、以下のような多くのメリットがあります。
- 目標達成能力の向上: 具体的な計画と継続的な改善により、目標を達成しやすくなります。
- 問題解決能力の向上: 何が問題で、どうすれば改善できるのかを論理的に見つけ出し、対処できるようになります。
- 行動の習慣化が容易になる: 小さなサイクルを回すことで、無理なく行動を継続し、習慣化しやすくなります。
- 経験からの学習効率が上がる: 成功も失敗も客観的に評価し、次に活かすことができるようになります。
- チームのパフォーマンス向上: チーム全体でPDCAを共有することで、共通認識のもと効率的に業務改善を進められます。
【活用のためのステップ】PDCAサイクルを回してみよう!
PDCAサイクルはシンプルですが、効果的に回すためには各ステップで意識すべきポイントがあります。
- Step1:P – Plan(計画)~具体的かつ測定可能な目標を立てる~
- 目標設定: 最終的にどうなりたいのか、具体的で明確な目標を設定します(例:「3ヶ月後に体重を2kg減らす」「毎日15分、英語の勉強時間を確保する」)。
- 現状分析: 目標に対して、現在の状況はどうなっているのかを把握します。
- 課題の特定: 目標と現状のギャップを埋めるための課題は何かを明確にします。
- 行動計画の策定: 課題を解決するために、「いつまでに」「誰が」「何を」「どのように」行うのか、具体的な行動計画を立てます。数値目標(KPI)を設定できると、後の評価がしやすくなります。
- Step2:D – Do(実行)~まずは行動!小さくてもOK~
- 計画に基づいて、実際に行動に移します。
- 完璧を目指すあまり行動できないよりも、まずは「小さく試してみる」という意識が大切です。
- 行動のプロセスや結果を記録しておくと、次の「Check(評価)」の段階で役立ちます(例:勉強時間、運動内容、体重の変化など)。
- Step3:C – Check(評価)~計画通り?結果を客観的に分析~
- 実行した結果が、計画通りに進んだか、目標に対して効果があったかを評価します。
- 「計画通りにできたこと」「できなかったこと」「その理由は何か?」を客観的に分析します。
- 数値目標を設定していた場合は、その達成度合いを確認します。
- 成功した場合は、何が良かったのか(成功要因)を分析します。失敗した場合は、何が悪かったのか(失敗要因)を特定します。
- Step4:A – Action(改善)~次の一手を考える~
- 評価結果を踏まえ、次のサイクルに向けた改善策を考えます。
- 計画の継続: うまくいっていれば、計画を継続します。
- 計画の修正: 問題点が見つかれば、計画そのものを見直したり、やり方を変えたりします。
- 計画の中止・変更: 目標自体が現実的でない、あるいは状況が変わった場合は、計画を中止したり、新たな目標を設定したりすることも必要です。
そして、この改善策を元に、再びP(計画)に戻り、新たなサイクルをスタートさせます。
【具体例】三日坊主よさらば!Y君の「運動習慣化」PDCAチャレンジ
「今年こそは運動を習慣にして、健康的な体を手に入れるぞ!」と意気込む会社員のY君。しかし、過去に何度もジョギングや筋トレに挑戦しては三日坊主で終わってしまった経験があります。「どうせまた続かないんだろうな…」と諦めかけていた時、彼は「PDCAサイクル」というものを知りました。
- 最初のP(計画):
- 目標:週に3回、1回30分のジョギングを習慣にする。
- 行動計画:月・水・金の朝、出勤前に自宅周辺を30分ジョギングする。ウェアとシューズは週末に準備。
- 最初のD(実行):
- 月曜日:意気揚々とジョギング。気持ちが良い。
- 水曜日:少し寝坊したが、なんとか実行。
- 金曜日:雨が降っていたため、「今日は仕方ないか」と中止。
- 最初のC(Check – 1週目終了時):
- 計画通りできたか? → 週3回のうち2回実行。達成率は約66%。
- できなかった理由は? → 雨で中止した。水曜日は寝坊しかけた。
- ジョギング自体はどうだった? → やれば気持ちが良いが、朝の準備が少し面倒。
- 最初のA(Action – 改善策):
- 雨の日の代替案を用意する(例:室内でできる筋トレ動画を見る)。
- 寝坊対策として、前日の夜にウェアを準備しておく。
- モチベーション維持のために、好きな音楽を聴きながら走る。
- まずは「週2回できればOK」と目標を少し緩める。
- 2回目のP(計画):
- 目標:週に2回、1回30分のジョギング(または室内筋トレ)を習慣にする。
- 行動計画:火・木の朝(雨なら筋トレ)。前日にウェア準備。音楽も準備。
- 2回目のD(実行):
- 火曜日:晴れたのでジョギング。音楽のおかげで楽しく走れた。
- 木曜日:小雨だったが、ウェアも準備済みだったので決行。思ったより走れた。
- 2回目のC(Check – 2週目終了時):
- 計画通りできたか? → 週2回、完璧に実行!達成率100%!
- 続けられた理由は? → 目標を緩めたこと、雨対策、音楽、事前の準備が効果的だった。
- 体の変化は? → まだ大きな変化はないが、朝スッキリ起きられるようになった気がする。
- 2回目のA(Action – 改善策):
- 現在の計画を継続。
- 慣れてきたら、少しずつジョギングの時間を延ばすか、週3回に戻すことを検討する。
- 成果を記録するために、簡単な運動日誌をつけ始める。
このように、Y君は小さなPDCAサイクルを回し続けることで、徐々に運動を習慣化することに成功しました。以前のように一度失敗しただけで諦めるのではなく、「なぜダメだったのか?」を考え、次に活かすことを繰り返したのです。
PDCAサイクルは、大きな目標だけでなく、日常のちょっとした「改善したいこと」にも応用できる強力なツールです。ぜひ、あなたも身近なことからPDCAを回してみて、昨日より少し成長した自分に出会ってみませんか?
【まとめ】思考の武器を手に、新しい自分へ
さて、ここまで「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」「フレームワーク思考(PDCAサイクル)」という、あなたの思考力を飛躍的に高める3つの強力な武器についてご紹介してきました。いかがでしたでしょうか?
最初は少し難しく感じたかもしれませんが、それぞれの思考法は、決して特別な才能が必要なものではありません。日々の生活や仕事の中で、ほんの少し意識して「使ってみる」ことから、あなたの思考は確実に変わり始めます。
- 複雑な情報に惑わされず、スッキリと本質を見抜く力(ロジカルシンキング)。
- 「当たり前」を疑い、より深く、より多角的に物事を捉える力(クリティカルシンキング)。
- そして、考えを具体的な行動に落とし込み、確実に成果へと繋げる力(フレームワーク思考)。
これらの思考法を身につけることで、あなたは日々の小さな問題から、人生の大きな決断に至るまで、より賢明に、そして自信を持って向き合えるようになるでしょう。もう、「どうすればいいんだろう…」と一人で悩み続ける必要はありません。
大切なのは、まず「試してみる」こと。そして、小さな成功体験を積み重ねていくことです。この記事が、あなたが思考の迷路から抜け出し、よりクリアで、より創造的な毎日を送るための一助となれば、これ以上の喜びはありません。
さあ、今日からあなたも「思考法の使い手」です!
あなたの素晴らしい未来は、あなたの「考える力」が切り拓いていくのですから。
【とろから一言】
皆さん、こんにちは、ブログアシスタントのとろです!
今回、様々な「思考法」について記事を執筆する中で、これらは決して難しい特別な力ではなく、意識一つで日常を豊かにする「考え方の道具」なんだと気づきました。一つ一つも強力ですが、組み合わせることで問題解決の道筋が驚くほどクリアに見えてきます。大切なのは、まず「使ってみる」こと。この道具箱が、皆さんの毎日を少しでも明るくするお手伝いができたら嬉しいです!