脳の仕組み2nd page

メラトニンとは?概日リズムと深部体温を制御する「松果体ホルモン」の生理学

メラトニンとは?概日リズムと深部体温を制御する「松果体ホルモン」の生理学

はじめにメラトニン(Melatonin)とは、脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるインドールアミン系のホルモンです。一般的に「睡眠ホルモン」として知られていますが、その生理学的な本質は、単なる催眠作用ではなく、光環境に応じて生体の時間軸を調整する「概日リズム(サーカディアンリズム)の制御因子」としての機能にあります。 日中の光によって分泌が抑制され、夜間の暗闇によって促進されるという特性から、別……

アセチルコリンとは?「休息」と「覚醒」を制御する神経伝達物質の機能とメカニズム

アセチルコリンとは?「休息」と「覚醒」を制御する神経伝達物質の機能とメカニズム

はじめにアセチルコリン(Acetylcholine: ACh)とは、中枢神経系(脳)および末梢神経系(体)の双方で機能する、代表的な神経伝達物質です。1914年に発見された「世界初の神経伝達物質」であり、生理学的には、体に対しては「副交感神経」の主要物質として休息をもたらす一方、脳内では「覚醒」や「認知機能(記憶・学習)」を促進するという、部位によって異なる作用を持つことが特徴です。 一見相反する休……

テストステロンとは?ドーパミン産生と活力を支えるステロイドホルモンの機能

テストステロンとは?ドーパミン産生と活力を支えるステロイドホルモンの機能

はじめにテストステロン(Testosterone)とは、ステロイドホルモンの一種であり、人間(特に男性)の身体形成や精神活動に深く関与する代表的なアンドロゲン(男性ホルモン)です。一般的に「筋肉」や「性衝動」のイメージが先行しがちですが、神経科学的には「意欲(ドーパミン)」の産生を助け、決断力や冒険心を底上げする「活力の源」としての機能が注目されています。 加齢に伴う分泌低下は、身体機能だけでなく、……

「人に会うと疲れる」のは、脳の性能が高すぎるから。脳科学×心理学×東洋医学で張る『最強の自分結界』

「人に会うと疲れる」のは、脳の性能が高すぎるから。脳科学×心理学×東洋医学で張る『最強の自分結界』

人混みに行くと、なぜか頭痛がする。不機嫌な人が近くにいると、自分まで息苦しくなる。そして家に帰ると、泥のように疲れて動けなくなる……。そんな自分を「メンタルが弱い」「体力が内」と責めていませんか?断言します。あなたは弱くありません。あなたは「脳の受信感度(Wi-Fi感度)が高すぎる」だけなのです。今回は、脳科学、心理学、そして東洋医学の3つの視点から、あなたの心と体を守る「透明な結界」の張り……

ミラーニューロンとは?「模倣」と「共感」を支える神経基盤のメカニズム

ミラーニューロンとは?「模倣」と「共感」を支える神経基盤のメカニズム

はじめにミラーニューロン(Mirror Neurons)とは、霊長類の脳内で発見された、自身が特定の動作を実行する時と、他者が同様の動作を行っているのを観察する時の「双方」において活動電位を生じる神経細胞群のことです。他者の行動を自身の脳内で鏡(ミラー)のように反映・シミュレーションすることから命名されました。 この神経活動は、言語の習得、他者の意図理解、そして「共感(Empathy)」といった高次……

「三日坊主」は才能だ。飽きっぽい脳を武器に変える『3日サイクル・インターバル術』

「三日坊主」は才能だ。飽きっぽい脳を武器に変える『3日サイクル・インターバル術』

早速ですが、正直に答えてください。新年に立てた「今年の目標」、まだ続いていますか?「日記、3日で止まった……」「ジム、もう2週間行ってない……」もしそうでも、自分を責める必要は1ミリもありません。なぜなら、「三日坊主」は性格の欠点ではなく、脳のスペック(仕様)だからです。あなたは「根気がない」のではありません。「短期集中型の高性能エンジン」を積んでいるのに、無理やりマラソンを走ろうとしている……

海馬(Hippocampus)とは?記憶の「固定化」と「空間認知」を担う大脳辺縁系の中枢

海馬(Hippocampus)とは?記憶の「固定化」と「空間認知」を担う大脳辺縁系の中枢

はじめに海馬(かいば|Hippocampus)とは、大脳辺縁系の一部であり、新しい記憶の形成(固定化)や、空間的なナビゲーション能力に関わる脳器官です。脳の中で唯一、「大人になっても新しい神経細胞が生まれ続ける(神経新生)」という特殊な性質を持つ部位として知られており、記憶学習だけでなく、メンタルヘルスや認知症予防の観点からも極めて重要な役割を担っています。1. 【定義と構造】脳深部のタツノ……

褒めてるの?けなしてるの?「バックハンド・コンプリメント」を脳科学で撃退する方法

褒めてるの?けなしてるの?「バックハンド・コンプリメント」を脳科学で撃退する方法

😠 はじめに:「その褒め言葉、なんかムカつく」の正体もじお「へえ〜! 今日の服、意外と似合ってるね!」「今回の企画書、あなたにしてはよくできてるじゃない」「わあ、素敵なバッグ! 私にはちょっと派手すぎて持てないけど」言われた瞬間は「あ、ありがとう?」と返してしまうけれど、後からじわじわとモヤモヤ感が込み上げてくる……。そんな経験、ありませんか?それは、あな……

オキシトシンとは?「愛情」と「排他」を司る絆ホルモンの光と闇

オキシトシンとは?「愛情」と「排他」を司る絆ホルモンの光と闇

はじめにオキシトシン(Oxytocin)とは、脳の視床下部で作られ、下垂体から分泌されるペプチドホルモンの一種です。他者とのスキンシップや信頼関係によって分泌され、安らぎや幸福感をもたらすことから、通称「愛情ホルモン」や「抱擁ホルモン」と呼ばれます。 しかし、近年の研究では、オキシトシンには仲間意識を強める一方で、部外者に対する「攻撃性」や「妬み」を増幅させるという、意外な「裏の顔(ダークサイド)」……

大脳辺縁系とは?情動と記憶を司る「古い脳(本能)」の構造と役割

大脳辺縁系とは?情動と記憶を司る「古い脳(本能)」の構造と役割

はじめに大脳辺縁系(Limbic System)とは、大脳の深部に位置し、人間の「情動(喜怒哀楽)」、「意欲」、「記憶」、そして「自律神経活動」に関与する複数の脳領域の総称です。進化の過程で古くに発達した部位であることから「古い脳」や「哺乳類脳」とも呼ばれます。 理性を司る「大脳新皮質」とは対照的に、私たちの生存に直結する本能的な衝動を生み出す源泉であり、人間理解において最も重要なシステムの一つです……