脳の仕組みtag
海馬(Hippocampus)とは?記憶の「固定化」と「空間認知」を担う大脳辺縁系の中枢
はじめに海馬(かいば|Hippocampus)とは、大脳辺縁系の一部であり、新しい記憶の形成(固定化)や、空間的なナビゲーション能力に関わる脳器官です。脳の中で唯一、「大人になっても新しい神経細胞が生まれ続ける(神経新生)」という特殊な性質を持つ部位として知られており、記憶学習だけでなく、メンタルヘルスや認知症予防の観点からも極めて重要な役割を担っています。1. 【定義と構造】脳深部のタツノ……
オキシトシンとは?「愛情」と「排他」を司る絆ホルモンの光と闇
はじめにオキシトシン(Oxytocin)とは、脳の視床下部で作られ、下垂体から分泌されるペプチドホルモンの一種です。他者とのスキンシップや信頼関係によって分泌され、安らぎや幸福感をもたらすことから、通称「愛情ホルモン」や「抱擁ホルモン」と呼ばれます。 しかし、近年の研究では、オキシトシンには仲間意識を強める一方で、部外者に対する「攻撃性」や「妬み」を増幅させるという、意外な「裏の顔(ダークサイド)」……
大脳辺縁系とは?情動と記憶を司る「古い脳(本能)」の構造と役割
はじめに大脳辺縁系(Limbic System)とは、大脳の深部に位置し、人間の「情動(喜怒哀楽)」、「意欲」、「記憶」、そして「自律神経活動」に関与する複数の脳領域の総称です。進化の過程で古くに発達した部位であることから「古い脳」や「哺乳類脳」とも呼ばれます。 理性を司る「大脳新皮質」とは対照的に、私たちの生存に直結する本能的な衝動を生み出す源泉であり、人間理解において最も重要なシステムの一つです……
CEN(中央実行ネットワーク)とは?DMNと対をなす「集中」と「思考」の実行回路
はじめにCEN(Central Executive Network:中央実行ネットワーク)とは、私たちが意識的に注意を向け、計算や計画、問題解決などの課題に取り組んでいる時に活性化する脳内ネットワークの総称です。「ぼんやり」している時に働くDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)とは対照的に、脳が外部の世界に対して能動的に働きかけている「集中モード」の状態を指します。 この記事では、CENの構成領……
「昔のように覚えられない」は進化の証。10歳で訪れる脳の「OSアップデート」と、大人だけが使える最強の学習法
もじお「最近、物覚えが悪くて……」「子供の頃は、教科書を丸暗記できたのに……」そんなふうに、自分の記憶力の低下を嘆いていませんか?とろ結論から言いましょう。あなたが丸暗記できなくなったのは、脳が劣化したからではありません。10歳前後で、脳のOS(学習システム)が「高機能版」にアップデートされたからです。今回は、この「10歳の壁」の正体と……
セロトニンとは?精神を安定させる「脳内の指揮者」の生理学的機能とメカニズム
はじめにセロトニン(Serotonin)とは、脳内の神経伝達物質の一つであり、ドーパミン、ノルアドレナリンと並んで「三大神経伝達物質」と称されるモノアミン類です。一般的に「幸せホルモン」という通称で知られていますが、神経科学的な本質は、快楽を与えることではなく、「精神の安定(平常心)」をもたらし、他の神経活動の暴走を抑制する「調整因子」としての働きにあります。 この記事では、セロトニンの生合成、脳内……





















