白猫怪談

三番街の商店街には、いつも一匹の白い猫がいる。
喫茶店のカウンターの端で、呉服屋の軒先で、交差点の銀色の箱の上で。
名前は、ろくすけ。
誰の飼い猫でもないのに、町のことなら、なんでも知っているような顔をしている。

「白猫怪談」は、とある商店街を舞台にした、少し不思議で、少し怖くて、最後にはあたたかい気持ちになれる怪談のシリーズです。見える人と、見えない人と、白い猫が、町に起きた「見えないもの」の事件に向き合っていきます。

作品一覧

第一作『見えない私が、隣にいたら』

商店街のフリーWi-Fiに、古井戸の声が流れ込んだ。

夏祭りを控えた三番街商店街。新しく引かれたフリーWi-Fiを通った写真が、見る人によって陽炎のように歪んで見える――そんな噂が広がり、写真を見た人が次々と倒れ始める。喫茶店の看板娘あやめも、その一人だった。

弱視のあんま師でプログラマーの真嶋、見えないものを感じ取るバーのマスター咲、娘を守りたい商工会長の一、サイバー犯罪対策課の刑事・達也、そして「何も見えない」側の人たち。祭りの開催期限までに、商店街は「見えないもの」の正体にたどり着けるのか。

  • ジャンル:現代怪談 × 商店街の群像劇
  • 分量:全40話(プロローグ+全六章+エピローグ)
  • 更新:毎週土曜・日曜に1話ずつ

物語の中の「脳の話」

このシリーズには、脳や心の仕組みにまつわる場面がたくさん出てきます。「人の頭は、一度に一人の声しか聞けない」「怖い話ほど、あっという間に広がる」「懐かしい歌で、涙が出る」。そうした場面の裏側にある脳の仕組みは、このブログの記事でも解説していきます。物語と一緒に、楽しんでもらえたらうれしいです。


※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名などとは関係ありません。