
「ストレスが溜まると、いつも胃が痛くなる」
「季節の変わり目は、決まって気分が落ち込む」
なぜかいつも、同じような不調のパターンに悩まされていませんか?
それは、あなたの生活習慣だけでなく、生まれ持った「体質」が関係しているのかもしれません。
東洋医学では、私たちの心と体を「肝・心・脾・肺・腎」という5つのグループ(五臓)のバランスで捉えます。このうち、どこかの働きが弱まると、特定の心と体の不調が現れやすくなるのです。
この記事では、あなたの「弱りやすい」タイプはどれなのか、簡単なセルフチェックで診断します。自分の体の声を聞き、根本的な体質改善への第一歩を踏み出しましょう。
あなたの不調はどのタイプ?3つのサインで超簡易チェック!
まずは、記事を読み進めながら、自分に当てはまるタイプはどれか、当たりをつけてみましょう。各タイプの解説の冒頭に、代表的な3つのサインを挙げました。ピンとくるものはありますか?
1. イライラしやすく、目が疲れやすい「肝(かん)」タイプ
□ 最近、些細なことでカッとなりやすい
□ PC作業をすると、目が異常に疲れる、または乾く
□ 寝起きが悪く、朝から体が重い
「肝」は、全身のエネルギー(気)の流れをコントロールする司令塔。ここが滞ると、感情のアップダウンが激しくなったり、血流が悪化して筋肉がこわばったりします。
→ おすすめのセルフケア: 適度な運動で気を巡らせる、酸味のあるもの(レモンなど)を少量摂る、寝る前のスマホを控えて目を休ませる。
2. 不安や不眠に悩む「心(しん)」タイプ
□ 夜、ベッドに入っても頭が興奮して、なかなか寝付けない
□ ちょっとしたことで動悸がしたり、不安になったりする
□ 物忘れが多い、集中力が続かない
「心」は、血液を全身に送り出すポンプ機能と、思考や意識といった精神活動の中心です。「心」が疲れると、精神が不安定になり、不眠や不安といった症状が現れやすくなります。
→ おすすめのセルフケア: 昼寝をするなら15分以内にする、瞑想や深呼吸で心を落ち着ける時間を作る、苦味のあるもの(緑茶など)を少し摂る。
3. 食後に眠く、疲れやすい「脾(ひ)」タイプ
□ 食後、強い眠気に襲われたり、胃がもたれたりする
□ 物事をくよくよと考え込んでしまうことが多い
□ 雨の日など、湿気が多いと体が重だるい
「脾」は、食べたものからエネルギーを作り出す、消化器系の働き全般を指します。ここが弱ると、エネルギー不足で疲れやすくなったり、水分代謝が悪くなり、むくみやだるさに繋がります。
→ おすすめのセルフケア: よく噛んで食べる、冷たい飲食物を避ける、自然な甘みのあるもの(かぼちゃ、さつまいもなど)で胃腸を労わる。
4. 季節の変わり目に弱い「肺(はい)」タイプ
□ 季節の変わり目に、決まって風邪をひいたり、気分が落ち込んだりする
□ 鼻炎や咳、たんなど、呼吸器系のトラブルが多い
□ なんとなく悲しい気持ちになったり、憂鬱になったりしやすい
「肺」は、呼吸を司り、体のバリア機能(免疫力)を担っています。「肺」が弱ると、外からの刺激に敏感になり、アレルギーや風邪にかかりやすくなるほか、気分の落ち込みとも関連します。
→ おすすめのセルフケア: 深呼吸を意識する、適度な有酸素運動(ウォーキングなど)を取り入れる、辛味のあるもの(ネギ、生姜など)で気の巡りを良くする。
5. 疲れが抜けず、足腰がだるい「腎(じん)」タイプ
□ しっかり寝ても、疲れが抜けないと感じる
□ 足腰が冷えやすく、だるい、または腰痛がある
□ 以前に比べて、白髪や耳鳴りが気になる
「腎」は、生命エネルギーの源を貯蔵する、アンチエイジングの鍵となる場所です。「腎」が弱ると、老化のサインが現れやすくなり、慢性的な疲労感や気力の低下に繋がります。
→ おすすめのセルフケア: 夜更かしを避け、睡眠を最優先にする、体を冷やさない(特に下半身)、黒い食材(黒豆、黒ごま、海苔など)を食事に取り入れる。
【詳細診断】50の質問で、あなたの隠れた体質を徹底チェック!
さらに詳しく自分の体質を知りたい方は、以下の50の質問に答えてみましょう。
各項目で、最も「はい」が多かったものが、あなたの基本的な体質(弱りやすい場所)です。
【肝のチェックリスト(10項目)】
- □ 怒りっぽい、イライラしやすい
- □ 気分にムラがある
- □ 目が疲れやすい、充血しやすい
- □ 手足の先がつりやすい、筋肉が痙攣する
- □ 寝起きが悪い、目覚めがスッキリしない
- □ 爪が薄い、割れやすい、線が入る
- □ 偏頭痛持ちである
- □ 肩や首がいつも凝っている
- □ お腹(特に右側)が張って苦しいことがある
- □ ため息をよくつく
【心のチェックリスト(10項目)】
- □ 動悸や息切れがすることがある
- □ 夜、なかなか寝付けない、夢をよく見る
- □ 不安感や焦燥感に襲われやすい
- □ 物忘れが多い
- □ 集中力が続かない
- □ 手のひらに汗をかきやすい
- □ 胸が苦しく感じることがある
- □ 顔色が赤い、または白い
- □ 舌の先が赤い、または口内炎ができやすい
- □ 喜びすぎたり、興奮しすぎたりすることがある
【脾のチェックリスト(10項目)】
- □ 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
- □ 食後に胃がもたれる、お腹が張る
- □ 食後にとても眠くなる
- □ くよくよと考え込む癖がある
- □ 体が重だるい、むくみやすい
- □ 疲れやすく、気力がない
- □ 口角が切れやすい、口内炎ができやすい
- □ 軟便、下痢をしやすい
- □ 甘いものが無性に食べたくなる
- □ あざができやすい
【肺のチェックリスト(10項目)】
- □ 風邪をひきやすい
- □ 鼻水、鼻づまり、咳、たんなどが出やすい
- □ アレルギー性鼻炎や花粉症、喘息がある
- □ 皮膚が弱く、乾燥しやすい
- □ 声が小さい、息切れしやすい
- □ 悲観的になりやすい、憂鬱な気分になることが多い
- □ 汗をかきやすい、または、かきにくい
- □ 息苦しさを感じることがある
- □ 悲しい気持ちを引きずりやすい
- □ なんとなく色白である
【腎のチェックリスト(10項目)】
- □ 疲れがなかなか抜けない、慢性的な疲労感がある
- □ 足腰が冷える、だるい、痛む
- □ 耳鳴りがする、または聞こえにくい
- □ トイレが近い(頻尿)、または夜間トイレに起きる
- □ 白髪、抜け毛が増えた
- □ 記憶力、集中力が低下したと感じる
- □ めまいや立ちくらみがする
- □ 骨がもろくなったと感じる
- □ 怖がり、驚きやすい
- □ 性欲や精力が減退した
まとめ
自分の体質を知ることは、不調の原因を理解し、自分に合ったセルフケアを見つけるための、最も重要な第一歩です。
この診断は、あくまで一つの目安。結果に一喜一憂するのではなく、自分の心と体に関心を持ち、その小さな声に耳を澄ませるきっかけとして、ご活用いただければ幸いです。