【ミラーニューロン】“共感する脳”の不思議?「ミラーニューロン」って何者?【とろLabo用語集 Vol.7】

【ミラーニューロン】“共感する脳”の不思議?「ミラーニューロン」って何者?【とろLabo用語集 Vol.7】

誰かが美味しそうにレモンをかじるのを見て、思わず自分の口の中が酸っぱくなったり。
目の前の人があくびをしたら、自分もつられてあくびをしてしまったり。
映画の登場人物の悲しい表情を見て、自分まで悲しい気持ちになったり。

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
今回は、そんな私たちの日常にあふれる「共感」や「模倣」の謎を解き明かす鍵として注目されている、脳の不思議な神経細胞「ミラーニューロン」について、皆さんの「?」にQ&A形式でお答えしていきます!

Q1. とろさん、「ミラーニューロン」って、そもそも何ですか?鏡の神経…?

はい、お答えします!
まさにおっしゃる通り、「鏡(ミラー)」のような働きをする、とっても面白い神経細胞(ニューロン)のことなんです。
「ミラーニューロン」とは、自分がある行動をするときに活動するだけでなく、他の誰かが同じ行動をしているのを見ているだけでも、まるで自分がその行動をしているかのように活動する、特殊な性質を持った神経細胞のことを指します。

例えば、あなたがリンゴを手に取ろうとすると活動する神経細胞が、他の人がリンゴを手に取るのを見ているだけでも、同じように活動する、といった具合です。
相手の行動を、まるで自分の脳の中の「鏡」に映し出して、シミュレーションしているようなイメージですね。この働きによって、私たちは他者の行動や意図を直感的に理解することができると考えられているんですよ。

Q2. ミラーニューロンが私たちの生活でどう役立っているの?

はい、ミラーニューロンシステムの働きは、私たちの社会的なコミュニケーションや学習において、非常に重要な役割を果たしていると考えられています!

  1. 他人の気持ちを「感じる」力(共感):
    相手の表情や仕草を見るだけで、その人が嬉しいのか、悲しいのか、痛いのか、といった感情を直感的に理解できるのは、ミラーニューロンが相手の状態を自分の脳の中でシミュレーションし、同じような感情を追体験させてくれるからだ、という説があります。これが、私たちが他者に共感したり、思いやりを持ったりする基盤になっているのかもしれませんね。
  2. 「見て学ぶ」力(模倣学習):
    赤ちゃんが親の表情を真似したり、スポーツ選手が上手な選手のフォームを見て学んだり、あるいは私たちが誰かの話し方や仕草を無意識に真似したりするのも、ミラーニューロンの働きが関わっていると言われています。相手の行動を脳内でシミュレーションすることで、その動きを効率的に学習することができるのです。
  3. 言葉を超えたコミュニケーション:
    言葉を交わさなくても、相手の意図を汲み取ったり、場の空気を読んだりできるのも、ミラーニューロンシステムが他者の行動の「目的」を予測するのに役立っているからだと考えられています。

Q3. もし、ミラーニューロンの働きが弱いと、どんなことが起きるの?

ミラーニューロンシステムの機能については、まだ研究途上の部分も多いのですが、もしこの働きが弱いと、社会的なコミュニケーションに何らかの影響が出る可能性が指摘されています。

例えば、

  • 他人の感情を読み取るのが苦手だったり、共感するのが難しかったりする。
  • 人の行動を真似て学ぶのが苦手だったりする。
  • 対人関係で、相手の意図を誤解しやすかったりする。

といったことが考えられます。
一部の研究では、自閉スペクトラム症(ASD)の特性の一部に、このミラーニューロンシステムの機能の違いが関係しているのではないか、という仮説も提唱されていますが、これはまだ議論の多い段階であり、確定的なことではありませんので、注意が必要です。
(参考:いくつかの神経科学・心理学研究で議論されています)

Q4. ミラーニューロンって、鍛えたり、元気にしたりすることはできるの?

はい、これもまだ研究が進められている分野ですが、ミラーニューロンシステムの働きを活性化させるのに役立つかもしれない、と考えられている習慣がいくつかありますよ!

  • 意識的に他者を観察する: 人の表情や仕草、声のトーンなどを、意識的に、そして注意深く観察する習慣をつけてみましょう。「この人は今、どう感じているんだろう?」と想像することが、ミラーニューロンを刺激する良いトレーニングになります。
  • 新しい身体活動に挑戦する: ダンスやスポーツ、楽器の演奏など、人の動きを見て真似る必要がある活動は、ミラーニューロンシステムを直接的に活用するので、良い刺激になると考えられています。
  • 読書や映画鑑賞(特に感情移入して!): 物語の登場人物の視点に立って、その感情や行動の背景を想像することも、私たちの共感能力、ひいてはミラーニューロンの働きを豊かにしてくれると言えるでしょう。まさに、先日公開した「漫画とメタ認知」の記事の世界ですね!
  • 対面でのコミュニケーションを大切にする: SNSやテキストだけでなく、実際に顔を合わせて、相手の表情や反応を見ながらコミュニケーションを取ることは、ミラーニューロンを活性化させる最高の機会です。

【今日のまとめ】“共感の脳”を理解して、もっと豊かな人間関係を!

「ミラーニューロン」は、私たちが他者と繋がり、社会を築き、そして文化を受け継いでいく上で、欠かせない素晴らしい脳の仕組みだということが、少しお分かりいただけたでしょうか?
この“脳の鏡”の存在を意識することで、私たちのコミュニケーションや学びは、もっと深く、そして豊かなものになるかもしれません。

「とろLabo」は、あなたの「心も体も頭も健康に」、そして他者との温かい繋がりに繋がるヒントを、これからもお届けしていきます!