汗と一緒に寿命が漏れる?東洋医学が警告する「気虚(ききょ)」と秋の老化

汗と一緒に寿命が漏れる?東洋医学が警告する「気虚(ききょ)」と秋の老化

前回の記事では、サウナや夏の運動で大量の汗をかくことが、デトックスどころか「血液ドロドロ」と「細胞の酸化(老化)」を引き起こす現代医学のメカニズムをお伝えしました。

しかし、2000年の歴史を持つ東洋医学の視点で「意図的な発汗」を見たとき、事態はさらに深刻です。
東洋医学において、汗を大量にかくという行為は、単なる水分の喪失ではなく、あなたが生きるための「生命エネルギー」そのものを体外へ垂れ流す、最もやってはいけない浪費行為だと警告されているのです。

汗は「心の液」。精神と血のコントロールセンター

東洋医学には「汗は心の液(かんはしんのえき)」という非常に重要な言葉があります。

ここでいう「心(しん)」とは、単なる心臓のことではなく、全身に血液を巡らせ、さらに精神や意識(神:しん)をコントロールする最高司令部を指します。
汗は、この最も重要な「心」のエネルギーから作られる特別な液体だと考えられています。そのため、汗をかきすぎると「心」の働きが極端に弱り、動悸がしたり、夜眠れなくなったり、精神的に不安になったりするのです。

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「気随汗脱」汗と共に生命エネルギー(気)が漏れ出す

さらに恐ろしいのが、汗と一緒に漏れ出す「気(き)」の存在です。

気とは、体を動かし、病気を防ぐ「生命エネルギー(寿命のガソリン)」のことです。気は体内の水分(津液:しんえき)に乗って全身を巡っています。
つまり、大量の汗をかいて水分を外へ絞り出すと、それに乗っていた大切な「気」まで一緒に体外へ漏れ出してしまうのです。

東洋医学ではこの現象を「気随汗脱(きずいかんだつ=気は汗に随って脱す)」と呼びます。 汗をかいた後に、体が鉛のように重く、動きたくなくなるのは、スッキリしたからではありません。体を動かすガソリン(気)が空っぽになる「気虚(ききょ)」という状態に陥っているからです。

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夏の「気の無駄遣い」が、秋の強烈な老化を招く

「夏はたくさん汗をかいた方が健康に良い」と信じて、サウナや炎天下での活動を繰り返していると、あなたの体内からは少しずつ、しかし確実に「気(生命力)」が失われていきます。

そのツケは、涼しくなった「秋」に一気に押し寄せます。
秋に急に抜け毛が増えたり、肌がカサカサに老け込んだり、起き上がれないほどの疲労感に襲われたりするのは、夏の間に汗と一緒に気を垂れ流し続けた結果、体を維持するエネルギーの貯金が完全に底をついてしまった証拠なのです。

漏れを防ぎ、気を養う鎮静のツボ「復溜(ふくりゅう)」

意図的に汗をかくことをやめ、涼しい環境で失われたエネルギー(気)と潤いを守ることが、最大のアンチエイジングになります。
最後に、開きっぱなしになった汗腺を引き締め、漏れ出た水分とエネルギーを取り戻す特効ツボをご紹介します。

復溜(ふくりゅう):体内の水分バランスを整えるダム
  • 場所: 内くるぶしの中心から、指3本分(約2寸)上に上がったところ。アキレス腱の少し前側のへこみ。
  • 効果: その名の通り、水(溜)を復(もど)すツボです。東洋医学では、異常な発汗をピタリと止め、体内の潤い(津液)とエネルギー(気)の漏れを防ぐ「止汗(しかん)」の特効穴として使われます。

夏は「デトックス」の季節ではなく、過酷な暑さから自分の「気(エネルギー)」を守り抜く防衛の季節です。これ以上、あなたの大切な寿命をドブに垂れ流さないよう、今日から体を涼しく保ち、復溜のツボでしっかりとエネルギーのダムを閉じてください。