- 健康・ライフハック
- 2025年9月19日
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本記事では、季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)の定義、発症メカニズム、および近年注目されている免疫制御システムについて解説します。
アレルギー性鼻炎とは、鼻粘膜に付着した抗原(アレルゲン)に対する、I型アレルギー反応(即時型アレルギー)によって引き起こされる炎症疾患です。
主症状として、発作性反復性のくしゃみ、水様性鼻漏、鼻閉(鼻づまり)の3徴候が挙げられます。
発症に至るプロセスは、大きく「感作(Sensitization)」と「発症(Elicitation)」の2段階に分類されます。
抗原が体内に侵入しても、初回は症状が出ません。以下のプロセスを経て、体が抗原を「異物」として記憶する状態を指します。
抗原提示
樹状細胞などが花粉抗原を取り込み、ヘルパーT細胞(Th2)へ情報を伝達します。
抗体産生
Th2細胞がB細胞を刺激し、花粉に特異的な「IgE抗体」を産生させます。
結合
産生されたIgE抗体が、粘膜下のマスト細胞(肥満細胞)の表面に結合し、待機状態となります。
感作が成立した状態で、再び抗原が侵入すると反応が起こります。
架橋
抗原がマスト細胞上のIgE抗体と結合(架橋)します。
脱顆粒
これをトリガーとして、マスト細胞内の顆粒が放出されます(脱顆粒現象)。
炎症惹起
放出された化学伝達物質(ヒスタミン、ロイコトリエン等)が神経や血管に作用し、くしゃみや鼻閉を引き起こします。

従来、アレルギーはTh1細胞とTh2細胞のバランス崩壊(Th2優位)が原因とされてきました。しかし近年、より上位の制御システムである「制御性T細胞(Regulatory T cell:Treg)」の重要性が確立されています。

Tregは、過剰な免疫反応を抑制し、自己や無害な抗原(花粉や食物)への攻撃を停止させる「免疫寛容(Immune Tolerance)」を誘導する役割を持ちます。
現代におけるアレルギー患者の増加は、環境要因の変化による、このTregの機能低下が一因と考えられています。
ここまでは医学的な定義を記述しましたが、イメージしやすいように比喩を使って翻訳します。
体内では、以下のようなドラマが起きています。Th2細胞(司令官)
花粉を見て「敵襲だ!」とパニックになり、総攻撃命令を出す人。
マスト細胞(爆撃機)
命令を受けて、ヒスタミン(爆弾)を投下し、周囲を火の海(炎症)にする部隊。
制御性T細胞(賢者)
「落ち着け、それはただの花粉だ。攻撃するな」と司令官をなだめ、戦争を止めさせる役割。
花粉症の人は、この「賢者(Treg)」が眠ってしまっている状態です。
薬で爆弾(ヒスタミン)を処理するのも一つですが、最も根本的な解決策は、賢者を目覚めさせることです。
そのための具体的なアプローチ(ビタミンD、腸内環境)については、[翌日公開の実践記事]にて解説します。