- とろLabo用語集
- 2025年6月18日
【六臓六腑・脾】元気の“お母さん”!東洋医学の「脾(ひ)」とは?~食欲不振・疲れやすさの鍵~【とろLabo用語集】
「最近、なんだか食欲がないな…」「しっかり寝ているはずなのに……

お風呂上がりに、うっかり薄着でいて「ゾクッ」とした瞬間。
スポーツで汗をかいた後、冷房の風に当たって「ヒヤッ」とした瞬間。
「あ、風邪を引いたかも…」
私たちがそう感じるのは、決まって「汗をかいた後」や「体が急に冷えた時」ではないでしょうか。
実は、二千年以上前の医学書には、この「無防備な瞬間」のメカニズムが、驚くほど合理的に記されています。
今回は、東洋医学の古典『霊枢(れいす)』の知恵を借りて、あなたの「体表のバリア」を守り抜く方法をご紹介します。
東洋医学では、私たちの皮膚表面には「腠理(そうり)」と呼ばれる、無数の「門」があると考えます。これは、現代でいうところの「毛穴」や「皮膚のキメ」のことです。
『霊枢』には、こんな記述があります。
「飲食や発汗によって、腠理(毛穴)が開いた時に、人は邪気にあたる」
つまり、お風呂上がりや運動後、体温調節のために毛穴(門)が全開になっている時こそが、ウイルスや冷気といった「邪気(外部ストレス)」にとって、体内に侵入する絶好のチャンスなのです。
私たちが感じる「ゾクッ」という悪寒は、まさに開いた門から、招かれざる客が侵入したサインなのかもしれません。
しかし、同じように汗をかいても、風邪を引く人と引かない人がいます。その差は何でしょうか?
鍵を握るのは、体表を巡り、門の開閉を管理している「衛気(えき)」というエネルギーです。現代医学でいう「皮膚の免疫バリア」や「自律神経による体温調節機能」に近い働きをします。
風邪を引きやすい人は、この「衛気」が以下のどちらかのパターンで弱っている可能性があります。
そもそもエネルギー(気)の総量が少なく、バリア全体が薄くなっている状態です。
エネルギーはあるのに、ストレスや運動不足で巡りが悪く、バリアに「穴(ムラ)」ができている状態です。
では、どうすれば鉄壁のバリアを作れるのでしょうか。
『霊枢』では、いくつかの行為を「風邪の入り口」として、名指しで厳しく警告しています。
最強の予防法は、薬やサプリではありません。
「汗をかいたら、すぐに拭き取り、着替える」
「首元(風の侵入ルート)を冷やさない」
このシンプルな「汗の始末」こそが、開いた門を物理的に守る、最も効果的な防御策です。
「衛気」の弱点を補強し、バリア機能を高めるためのツボをご紹介します。
もし、予防が間に合わず、ゾクゾクし始めてしまったら?
風邪の初期(引き始め)に、葛根湯を飲んだり、温かいお粥を食べたりして「発汗」を促すのは、東洋医学の理にかなっています。
これは、「侵入したばかりの浅い場所にいる邪気を、入ってきた門(毛穴)から、汗と共に外へ押し出す」という治療戦略です。
「汗が出るようになると、体が楽になる」という実感は、まさに邪気の排出が成功した証なのです。
「汗をかいたら、すぐ拭く」「首元を冷やさない」「疲れたらツボを押す」。
私たちが祖母から教わったようなシンプルな養生法は、実は二千年以上前の医学書に裏付けられた、最も科学的で、合理的な「予防医学」そのものでした。
これからの季節、あなたの体の「門番(衛気)」を大切に育て、風邪知らずの毎日を過ごしませんか?