- とろLabo用語集
- 2025年6月30日
【六臓六腑・胆】決断力の源!東洋医学の「胆(たん)」とは?~肝の相棒、その意外な役割~【とろLabo用語集】
「なかなか物事を決められない、優柔不断な性格で…」「大きな決……
仕事は真面目にこなす。でも、そこに情熱はなく、どこか面倒くさそう。
口癖のように「何もしたくない」とつぶやく…。
あなたの周りに、そんな「やる気のない人」はいませんか?
あるいは、あなた自身が、そんな無気力な自分に悩んではいませんか?
その「やる気のなさ」の正体は、単なる怠惰ではなく、過去の経験から作られた「劣等感」から、自分を守るための、痛々しい心の鎧なのかもしれません。
今回は、その無気力のメカニズムと、心に優しい回復のステップを、科学的な視点から探っていきましょう。
心理学者アドラーは、「劣等感は、すべての人間に存在する、成長へのバネである」と言いました。
しかし、その劣等感が強すぎると、私たちは「挑戦」そのものを恐れるようになります。「どうせ自分なんて、やっても無駄だ」「また失敗して、自分の無能さを思い知らされるのは嫌だ」と。
この「失敗への恐怖」から心を守る、最も手軽な防衛策が「そもそも、やる気を見せないこと」なのです。
「やりがいがない」「めんどくさい」という鎧をまとうことで、「本気でやって失敗した」という、最も深い傷を負うことから、無意識に自分を守っているのです。
この状態が続くと、脳は「自分の行動は、結果に何の影響も与えない」と学習してしまい(学習性無力感)、何かをしようという意欲そのものが、本当に湧かなくなってしまいます。
もし、あなた自身がこの無力感に悩んでいるなら、「やる気を出そう」と自分を叱咤するのは、最もやってはいけないことです。まずは、自分を優しく労わることから始めましょう。
目標は「部屋を片付ける」ではありません。「床に落ちているゴミを一つだけ拾う」。それだけで100点満点です。「ばかばかしい」ほど小さな行動が、「自分にも、まだ何かできる」という感覚を、脳に思い出させてくれます。
「目標」ではなく、「今日できたこと」を記録します。「朝、起き上がれた」「歯を磨けた」。どんな小さなことでも構いません。行動できたという「事実」が、無力感を打ち消す、客観的な証拠になります。
「何もしたくない」と感じた時、自分を責めるのはやめましょう。「そう感じてしまうほど、疲れているんだね。大丈夫だよ」と、まるで親友に語りかけるように、自分自身に優しく接してあげてください。
もし、あなたの周りに「やる気のない」人がいたら、その人を励ましたり、叱ったりするのは逆効果です。その人が安心して「鎧」を脱げるような、安全な環境を作ってあげることが、何よりのサポートになります。
「すごい成果だね!」ではなく、「その作業に取り掛かったんだね、えらいね」「色々と試行錯誤してるみたいだね」と、行動の「過程」や「意欲」そのものに光を当てて、声をかけます。
相手が確実に成功できる、ごく小さな依頼をします。「このメールの言い回し、どっちがいいと思う?」「この分野、詳しかったよね?ちょっとだけ教えてほしいんだけど…」。これは、「私はあなたの能力を信頼していますよ」という、非常に強力なメッセージになります。
相手が「何もしたくない」と言った時、「そんなこと言ってないで」と否定するのではなく、「そっか、今はそういう気持ちなんだね」と、まず一度、その感情をそのまま受け止めてあげましょう。ただ受け止めてもらえるだけで、人の心は少し軽くなるものです。
やる気は「出す」ものではありません。
恐怖や不安から心を守る必要がなくなり、自分はここにいても良いのだ、という「心の安全基地」ができた時、自然と内側から「湧いてくる」ものです。
あなた自身と、あなたの周りの大切な人のために。
まずは、完璧ではない自分を、そして相手を、そのまま認めてあげることから始めてみませんか。