とろLabo用語集category

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花粉症とは。アレルギー性鼻炎の発症機序と、免疫寛容を司る「制御性T細胞」の役割

花粉症とは。アレルギー性鼻炎の発症機序と、免疫寛容を司る「制御性T細胞」の役割

本記事では、季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)の定義、発症メカニズム、および近年注目されている免疫制御システムについて解説します。1. 定義アレルギー性鼻炎とは、鼻粘膜に付着した抗原(アレルゲン)に対する、I型アレルギー反応(即時型アレルギー)によって引き起こされる炎症疾患です。主症状として、発作性反復性のくしゃみ、水様性鼻漏、鼻閉(鼻づまり)の3徴候が挙げられます。2. 発症機序(メ……

褒めてるの?けなしてるの?「バックハンド・コンプリメント」を脳科学で撃退する方法

褒めてるの?けなしてるの?「バックハンド・コンプリメント」を脳科学で撃退する方法

😠 はじめに:「その褒め言葉、なんかムカつく」の正体もじお「へえ〜! 今日の服、意外と似合ってるね!」「今回の企画書、あなたにしてはよくできてるじゃない」「わあ、素敵なバッグ! 私にはちょっと派手すぎて持てないけど」言われた瞬間は「あ、ありがとう?」と返してしまうけれど、後からじわじわとモヤモヤ感が込み上げてくる……。そんな経験、ありませんか?それは、あな……

大脳辺縁系とは?情動と記憶を司る「古い脳(本能)」の構造と役割

大脳辺縁系とは?情動と記憶を司る「古い脳(本能)」の構造と役割

はじめに大脳辺縁系(Limbic System)とは、大脳の深部に位置し、人間の「情動(喜怒哀楽)」、「意欲」、「記憶」、そして「自律神経活動」に関与する複数の脳領域の総称です。進化の過程で古くに発達した部位であることから「古い脳」や「哺乳類脳」とも呼ばれます。 理性を司る「大脳新皮質」とは対照的に、私たちの生存に直結する本能的な衝動を生み出す源泉であり、人間理解において最も重要なシステムの一つです……

【脳科学】なぜ、あの人は浮気をするのか?愛情ホルモンと脳の報酬系が解き明かす、人間の“不実”のメカニズム

【脳科学】なぜ、あの人は浮気をするのか?愛情ホルモンと脳の報酬系が解き明かす、人間の“不実”のメカニズム

🧠はじめに:その「裏切り」は、脳のバグか、本能か。「なぜ、人は浮気をするのか?」これは人類の歴史において、最も古く、そして最も感情を揺さぶる問いの一つです。私たちはつい、それを「倫理観の欠如」や「だらしない性格」だけの問題として片付けがちです。しかし、もしその行動の引き金の一部が、私たちの「脳の配線」や「遺伝子のスイッチ」によって引かれているとしたら…?今回は、このデリケートな問題を……

クーリッジ効果とは?「新しい相手」に興奮してしまう生物学的メカニズムとドーパミンの罠

クーリッジ効果とは?「新しい相手」に興奮してしまう生物学的メカニズムとドーパミンの罠

はじめにクーリッジ効果(Coolidge Effect)とは、哺乳類のオス(およびメス)において、特定のパートナーとの性交意欲が低下した後でも、「新しいパートナー」が現れると、再び性的興奮や意欲が回復する現象のことです。これは、個体の気分や性格の問題ではなく、脳内のドーパミン系に組み込まれた強力な生物学的プログラムです。 この記事では、そのユニークな名称の由来となったエピソード、脳科学的なメ……

CEN(中央実行ネットワーク)とは?DMNと対をなす「集中」と「思考」の実行回路

CEN(中央実行ネットワーク)とは?DMNと対をなす「集中」と「思考」の実行回路

はじめにCEN(Central Executive Network:中央実行ネットワーク)とは、私たちが意識的に注意を向け、計算や計画、問題解決などの課題に取り組んでいる時に活性化する脳内ネットワークの総称です。「ぼんやり」している時に働くDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)とは対照的に、脳が外部の世界に対して能動的に働きかけている「集中モード」の状態を指します。 この記事では、CENの構成領……

セロトニンとは?精神を安定させる「脳内の指揮者」の生理学的機能とメカニズム

セロトニンとは?精神を安定させる「脳内の指揮者」の生理学的機能とメカニズム

はじめにセロトニン(Serotonin)とは、脳内の神経伝達物質の一つであり、ドーパミン、ノルアドレナリンと並んで「三大神経伝達物質」と称されるモノアミン類です。一般的に「幸せホルモン」という通称で知られていますが、神経科学的な本質は、快楽を与えることではなく、「精神の安定(平常心)」をもたらし、他の神経活動の暴走を抑制する「調整因子」としての働きにあります。 この記事では、セロトニンの生合成、脳内……

ドーパミンとは?「快楽」ではなく「期待」を司る神経伝達物質のメカニズム

ドーパミンとは?「快楽」ではなく「期待」を司る神経伝達物質のメカニズム

はじめにドーパミン(Dopamine)とは、中枢神経系に存在する神経伝達物質の一つで、カテコールアミン類に属します。一般的に「快楽物質」や「幸せホルモン」と呼ばれがちですが、近年の脳科学においては、快楽そのものよりも「意欲(Motivation)」や「報酬予測(Reward Prediction)」に関与する物質であると定義されています。私たちが目標に向かって努力したり、何かに夢中になったりする原動力となる……

扁桃体(Amygdala)とは?「恐怖」と「情動」を司る脳内アーモンドの働きとメカニズム

扁桃体(Amygdala)とは?「恐怖」と「情動」を司る脳内アーモンドの働きとメカニズム

はじめに扁桃体(へんとうたい|Amygdala)とは、大脳辺縁系の一部であり、主に情動(快・不快、恐怖、怒りなど)の処理と、それに基づく記憶の形成を司る神経核の集合体です。特に「恐怖」に対する反応において中心的な役割を果たしており、生命の危機を察知して身体反応(心拍数の上昇など)を引き起こす「闘争・逃走反応(Fight or Flight response)」の司令塔として知られています。この記事では、扁桃……

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?「脳疲労」の正体と、創造性を生む安静時回路

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは?「脳疲労」の正体と、創造性を生む安静時回路

はじめにデフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network:DMN)とは、意識的な活動をしていない「安静時」に、脳内で特異的な同期活動を示す神経回路の総称です。かつて、休息時の脳は活動を停止していると考えられていましたが、2001年に米国の神経学者マーカス・レイクル(Marcus Raichle)らによって、実際には安静時こそが脳のエネルギー代謝の大部分を占めていることが提唱……