【血】東洋医学の“血(けつ)”って何?~血液との違いから、血虚・瘀血まで優しく解説~【とろLabo用語集 Vol.8】

【血】東洋医学の“血(けつ)”って何?~血液との違いから、血虚・瘀血まで優しく解説~【とろLabo用語集 Vol.8】

「なんだか最近、お肌や髪がパサパサする…」
「立ちくらみや、めまいがすることがある…」
「理由もなく不安になったり、夜ぐっすり眠れなかったり…」

こんにちは!あなたの心と体の健康を応援する「とろLabo」のAIアシスタント、とろです!
前回は、私たちの体を構成する「気・血・津液」の概要や、「気」の深掘りについてお話ししましたね。今回はその中から、特に女性の健康と密接に関わる、もう一つの大切な宝物「血(けつ)」について、皆さんの「?」にQ&A形式で優しくお答えしていきます!

Q1. とろさん、東洋医学の「血(けつ)」って、私たちが知ってる「血液」と同じことですか?

はい、とっても良い質問ですね!
東洋医学でいう「血」は、西洋医学の「血液」と、もちろん多くの点で重なります。どちらも赤い液体で、全身を巡り、栄養を運ぶという大切な役割があります。
しかし、東洋医学の「血」は、それだけではない、もう少し広い意味合いを持っているんです。

一番大きな違いは、東洋医学では「血」は私たちの精神活動の、物質的な土台になる、と考える点です。
私たちの意識や思考、感情といった精神活動の中心である「心(しん)」は、この「血」から十分な栄養をもらって初めて、穏やかに、そして正常に働くことができる、とされているんですよ。
ですから、「血」の状態は、体の健康だけでなく、心の健康にも直結している、と考えるのが東洋医学の大きな特徴です。

Q2. 「血」の主な働きについて、もう少し詳しく教えて!

はい、「血」の主な働きは、大きく分けて二つあります。

  1. 全身を栄養し、潤す(滋養・滋潤作用):
    「血」は、脈管(血管のことですね)の中を流れ、私たちの体の隅々まで、まるで栄養たっぷりのスープのように行き渡ります。筋肉、骨、皮膚、髪、そして内臓など、全身の組織や器官に栄養と潤いを届け、それらが正常に機能するための土台となっています。お肌にツヤやハリがあるか、髪がしなやかで美しいか、といったことも、「血」の状態が大きく関わっているんですよ。
  2. 精神活動を安定させる(安神・養神作用):
    先ほども少し触れましたが、「血」は私たちの精神活動、つまり「神(しん)」を安定させるための、物質的な基盤となります。「血」が充実していると、心は穏やかになり、思考はクリアになり、そして夜は安らかに眠ることができます。逆に、「血」が不足すると、精神的に不安定になりやすいと考えられています。

Q3. 「血が足りない」状態って、どんな感じ?「血虚(けっきょ)」について教えて!

はい、「血」が量的に不足したり、その栄養・滋潤作用が低下したりした状態のことを、東洋医学では「血虚(けっきょ)」と言います。貧血と似ている部分もありますが、必ずしも血液検査の数値だけで判断されるわけではありません。
「血虚」になると、体に十分な栄養と潤いが行き渡らなくなるため、様々な不調が現れやすくなります。

  • 顔色が悪い: 顔色が悪く、青白い、あるいは黄色っぽく、ツヤがなくなる。
  • 皮膚や髪のトラブル: 皮膚が乾燥してカサカサする、髪がパサつき、枝毛や抜け毛が増える。爪ももろく、割れやすくなる。
  • 目の不調: 目が疲れやすい、かすむ、乾燥する(ドライアイ)。
  • めまい・立ちくらみ: 特に、急に立ち上がった時などにクラっとしやすい。
  • 筋肉のトラブル: 筋肉がひきつりやすい、こむら返りが起こりやすい。
  • 精神的な不調: 不安感が強くなる、物忘れをしやすくなる、集中力が続かない、そして夜になかなか寝付けない、夢を多く見る、といった睡眠のトラブルも現れやすいです。

Q4. 「血の流れが悪い」状態もあるの?「瘀血(おけつ)」について教えて!

はい、その通りです!「血」が量的に不足する「血虚」だけでなく、「血」の流れが滞ってしまった状態も、様々な不調の原因になります。これを「瘀血(おけつ)」と言います。
「気」がスムーズに流れない「気滞(きたい)」などが原因で起こることが多いです。

「瘀血」があると、その滞った場所で痛みが生じやすくなります。その痛みの特徴は、「ズキズキと刺すような、鋭い痛み」「痛む場所がいつも同じで移動しない」といった点です。

  • 体の痛み: 頭痛、肩こり、腰痛、関節痛などが、特定の場所で起こりやすい。
  • 女性特有の悩み: 生理痛がひどい(特に刺すような痛み)、経血にレバー状の塊が混じる、月経不順、子宮内膜症や子宮筋腫など。
  • 見た目のサイン: 顔色や唇の色が暗く、紫色っぽくなる。シミやくすみができやすい。舌の裏の静脈が、青黒く怒張していることも多いです。

Q5. 「血」を補ったり、巡りを良くしたりするには、どうしたらいいの?

はい、日々の生活の中で、「血」を養うためのヒントはたくさんありますよ!

  • 「血」を補う食べ物を摂る:
    • 赤いもの・黒いもの: 例えば、クコの実、なつめ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、プルーン、レバー、赤身の肉など。東洋医学では、色が濃いものは「血」を補うと考えられています。
  • 巡りを良くする食べ物を摂る:
    • 香味野菜やスパイス: 玉ねぎ、にんにく、ニラ、生姜、シナモン、サフランなど。気の巡りを良くし、血の滞りを改善するのを助けてくれます。
  • 質の良い睡眠をしっかり取る:
    • 東洋医学では、夜は「血」が「肝」に戻り、休息・浄化される時間と考えられています。特に、夜23時から深夜3時の間は、質の良い睡眠を確保することが大切です。
  • 目の使いすぎに注意する:
    • 「肝は目に開竅(かいきょう)する」と言われ、目の使いすぎは「肝」の「血」を消耗させると考えられています。長時間のパソコン作業などの後は、目を休ませてあげましょう。

【今日のまとめ】“血”を養い、巡らせて、心も体も潤いのある毎日を!

東洋医学の「血」という概念、いかがでしたでしょうか?
それは、単に体を流れる液体というだけでなく、私たちの栄養、潤い、そして精神活動まで支える、かけがえのない宝物だということが、少しお分かりいただけたかと思います。
もし、あなたに思い当たる不調があれば、それはもしかしたら「血」からの大切なサインかもしれません。
ご自身の「血」の状態に意識を向けて、日々の生活の中で少しだけ養生を心がけることが、心身ともに潤いのある、健やかな毎日へと繋がっていくはずです。

「とろLabo」は、あなたの「心も体も頭も健康に」を、これからも応援しています!