氷が解けないコップのメカニズムを説明します。
なぜ、氷は溶けるの?
まずは「氷」について説明します。
1気圧の環境で、気温が0℃を下回ると、水が氷になります。
ちなみに、1気圧下で、99.974℃になると、水は沸騰します。この温度を沸点と言います。
ついでに、水が凍ると、体積が約10%増えるそうなのですが、これは、水特有の性質だそうです。
多くの液体では、個体になると体積が減るのですが、水は体積が増える珍しい物質なんです。
サントリーのエコ活
水では、「0℃」というのが、液体と個体の境界になります。
個体が液体に変化する温度のことを「融点」と呼びます。
氷が溶けるのは、0℃を上回るからなんですね。
ただ、融点に達すると、急に液体に変わるのではなく、徐々に溶けていきます。
そのため、氷は、完全に溶けるまで「0℃」をキープし続けるわけです。
例えば、40℃のお湯に氷を入れたとします。
氷は、周りの熱を奪いながら徐々に溶けていきます。
この時、氷の温度は0℃のままで周りを冷やし続けながら溶けていきます。
「氷が溶けないコップ」は、なぜ、氷が溶けないの?
結論から言うと、
「コップの壁面が外部の熱を遮断するから」
です。
コップの壁面が外部の熱を遮断してくれることで、外気温の影響を受けにくくなり、結果として氷が溶けにくくなるわけです。
そして、熱を遮断する秘密が、
「真空」
です。
コップの壁面が真空構造になっていることで、コップの中の氷が外気温の影響を受けにくくなっているわけです。
魔法瓶と同じ理屈ですね。
なぜ、真空だと熱を遮断できるの?
真空だと、なぜ、熱を遮断できるのでしょうか?
それは、真空が「伝導」と「対流」による伝熱を抑えるからです。
このことについて、「真空」と「熱の伝わり方」を順を追って説明します。
「真空」とは
物質が全く存在しない空間。人為的には作り出せず,実際はごく低圧の状態をいう。宇宙空間もほとんど完全な真空に近いが,それでも微量の星間物質が存する。
[スーパー大辞林]真空(しんくう、英: vacuum)は、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態。
wikipedia
また物理学における概念として、古典論における絶対真空、量子論における真空状態を指す場合にも用いられることがある。
真空を物理学の古典論における絶対真空でいう物質が存在しない空間のように思われることがあるが、微視的ではない大きさの空間で物質が存在しない状態の実現は不可能である。(物理学の古典論における絶対真空を参照)
真空って、空気がないだけではなくて、物質が存在しない状態のことを言うんですね。
とりあえず、コップの壁面の真空は、完全真空ではなく、「極めて気圧の低い状態」ということになります。
気圧とは、空気分子の密度で決まります。
密度が高ければ気圧も高くなり、密度が低くなれば気圧も低くなります。
つまり、真空は、「空気分子が少ない状態」となります。
空気分子同士がぶつかると、熱が発生しますが、気圧が低ければ分子が衝突する頻度も減るので熱が発生しにくくなります。
熱の伝わり方
熱が伝わる方法には、「伝導」、「対流」、「放射」の3種類があります。
伝導
個体に熱が伝わっていく現象です。
例えば、
鉄の棒を火で炙り続けると、その熱が棒全体に伝わってきます。
フライパンも、底面しか火で炙られていないのに、時間が経つと全体が熱くなります。
これが「伝導」です。
対流
液体や気体などを介して熱が移動し、伝わる現象です。
例えば、
お湯を沸かすとき、温められた水は上へ、温度の低い水は下へ移動します。
お湯を沸かすときは、これがくり返されて水全体が加熱されていくことになります。
放射
電磁波によって熱が伝えられる現象です。
例えば、
太陽の熱が地球に届き、地球を温めていますが、これは放射によるものです。
太陽から放射された赤外線が地球に届くことで、熱が伝わるわけです。
反射式ストーブもこれと同じ原理です。
「真空」が熱を伝えにくい理由
真空は、「伝導」と「対流」による伝熱を遮断します。
コップの壁面に真空の層を作ることで、手の熱や外気温が「伝導」や「対流」によってコップの中身に伝わるのを遮断してくれているわけです。
ただ、真空では、放射線は防げません。
そのため、真空の壁では、赤外線の放射による熱の移動は防げません。
電磁波はどうやったら防げるの?
メカニズムはよくわかりませんが、電磁波を遮蔽してくれるものが身の回りに色々あるようです。
有名なのが「アルミホイル」です。
アルミホイルは結構な勢いで電磁波を遮蔽してくれるみたいで、スマートフォンをアルミホイルで包むと、Wi-FiやBluetoothの電磁波を遮蔽してくれるみたいです。
氷の溶けないコップの壁面にはこのアルミの層があるものもあり、放射によ伝熱を抑えてくれるものもあります。
紙コップをアルミホイルで包むだけでも電磁波を遮蔽する効果が得られるので、汎用性が高いアイテムでもあります。
まとめ
- 真空による伝導、対流対策
- アルミのような電磁波を遮蔽してくれるものを使っての放射対策
以上の2点で氷が一晩中溶けないほどの熱特性が作り出されているんですね。
温度の影響を受けないようにしたいのであれば、アルミホイルを活用するといいですよ。
私がこの記事を書いたよ!
テリー
いつも自由にやらせてもらってますが、最近、健康のことにも気を使わないとなと思い、ブログを書きながら、自分自身も健康に対する意識を高めてみようかなと考えています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を持っているので、体のことや健康のことにはそれなりに詳しいです。 なぞなぞと手品が大好きです。
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