- とろLabo用語集
- 2025年5月30日
【陰陽論】東洋医学の智慧「陰陽論」ってなぁに?~バランスの秘密、優しく解説~【とろLabo用語集 Vol.4】
「なんだか最近、体のバランスが崩れている気がする…」「東洋医……

「週末は家で静かに本を読みたい」
「大人数のパーティよりも、少人数の深い会話が好き」
もしあなたがそう感じるなら、世間から「もっと積極的に」「もっと社交的に」と言われて肩身の狭い思いをしてきたかもしれません。
しかし、ユング心理学と最新の脳科学において、内向型(Introvert)は「根暗」や「非社交的」とは定義されません。
彼らは、「少ない刺激で満足できる、極めて燃費の良い(高コスパな)脳」を持っている人々です。
この記事では、カール・ユングの定義と、脳内の神経伝達物質(ドーパミン・アセチルコリン)の働きから、内向型の科学的な正体を解説します。
内向型(Introvert)という概念は、心理学の三大巨匠の一人、カール・グスタフ・ユングによって提唱されました。
彼は、人間を「興味の関心がどこに向いているか」で2つに分類しました。
外向型(Extrovert)
興味が「外側の世界(人、活動、物)」に向く。
人と関わることでエネルギーを充電し、一人でいると放電(消耗)する。
内向型(Introvert)
興味が「内側の世界(思考、感情、アイデア)」に向く。
一人で思索することでエネルギーを充電し、人と関わりすぎると放電(消耗)する。
つまり、内向型かどうかの決定的な違いは、「シャイかどうか」ではなく、「疲れた時に、一人になりたいか、誰かに会いたいか」というバッテリーの充電スタイルの違いにあります。
なぜ、エネルギーの充電方法が違うのか?
1999年の脳血流測定実験などにより、両者の脳は「報酬系(快楽を感じる回路)」の好みが異なることが判明しています。

外向型の脳は、ドーパミン受容体の感度が低い(鈍感)という特徴があります。
そのため、満足感を得るためには、より強い刺激(パーティー、リスク、新しい出会い)を大量に必要とします。
いわば「刺激中毒」の状態にあり、常に外部からの強い入力を求めています。
一方、内向型の脳は、ドーパミン受容体の感度が高すぎる(敏感)ため、強い刺激を受けるとすぐに過剰興奮(Overwhelmed)し、疲弊してしまいます。
その代わり、内向型は「アセチルコリン」という神経伝達物質を好みます。
これは、読書や研究、深い対話など、「静かで集中した状態」で分泌され、穏やかな幸福感をもたらします。
つまり内向型は、「わずかな刺激で幸福になれる、非常に燃費の良いエコな脳」を持っているのです。
よく混同されますが、「内向型」と、以前の記事で解説した「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」は、似て非なる概念です。
| 特徴 | 内向型(Introvert) | HSP(繊細さん) |
|---|---|---|
| 定義 | 興味の方向(内側か外側か) | 感覚の感度(SPSの高さ) |
| 苦手なもの | 浅い会話、過剰な社交 | 大きな音、光、他人の感情 |
| 脳の反応 | アセチルコリンを好む | 扁桃体が反応しやすい |
統計的にはHSPの約70%が内向型であると言われていますが、裏を返せば30%は「外向型HSP(HSS型)」です。
「刺激を求めて外に出かけるが(外向)、すぐに疲れて傷ついて帰ってくる(HSP)」というタイプも存在するのです。
弁護士であり作家のスーザン・ケインは、世界的ベストセラー『QUIET(邦題:内向型人間の時代)』の中で、現代社会がいかに「外向型優位」に設計されているかを指摘し、内向型の持つ潜在能力(Quiet Power)を提唱しました。
内向型が社会で発揮する強み(リーダーシップ):
傾聴力
部下の意見をじっくり聞き入れるため、自律的なチームを率いるのに適している。
深い集中力
孤独を苦にしないため、プログラミングや執筆、研究など、長時間の没頭を要するタスクで圧倒的な成果を出す。
リスク回避
ドーパミンの暴走に慎重であるため、衝動的な投資や無謀な経営判断を避け、組織を安定させる。
ビル・ゲイツやアインシュタインなど、世界を変えたイノベーターの多くが内向型であることは偶然ではありません。
彼らは「社交」に使わなかったエネルギーを、すべて「創造」に注ぎ込んだのです。
今の社会は、声が大きく、即断即決し、人脈が広い「外向型」が評価されやすいシステムになっています。
しかし、内向型のあなたが無理をして外向型のように振る舞うことは、「電気自動車にガソリンを入れようとする」ようなものです。故障の原因になります。
あなたは、アセチルコリン(静かな没頭)を燃料に動く、高性能なマシンです。
自分の脳のスペックを正しく理解し、適切な燃料を与えること。それが、内向型として幸せに生きる第一歩です。