【脳科学】なぜ「引き寄せの法則」は本当っぽく感じるのか?あなたの“願い”を現実にする、脳の「検索エンジン」のすごい働き

【脳科学】なぜ「引き寄せの法則」は本当っぽく感じるのか?あなたの“願い”を現実にする、脳の「検索エンジン」のすごい働き

「強く願えば、叶う」――。
多くの人を魅了し、同時に「そんなのは非科学的だ」と批判もされる「引き寄せの法則」。

実は、そのどちらも、ある意味で正しいのです。
今回は、「引き寄せの法則」が、なぜ、そしてどのように機能するのか、その不思議な現象を、あなたの「脳」の働きから解き明かしていきます。魔法ではない、科学的な“引き寄せ”の正体とは?


第一章:「引き寄せ」の正体は、脳の“注意フィルター”だった

私たちの脳には「RAS(網様体賦活系)」という、非常に重要な機能があります。これは、入ってくる膨大な情報の中から、「自分にとって重要な情報」だけを拾い上げる、脳の“注意フィルター”あるいは“検索エンジン”のようなものです。

例えば、「赤い車が欲しいな」と強く意識すると、街中で、やたらと赤い車が目につくようになりますよね。
これは、赤い車が急に増えたわけでも、あなたが赤い車を「引き寄せた」わけでもありません。あなたの脳の検索エンジン(RAS)が、「赤い車」というキーワードを重要だと認識し、それに関する情報だけを、自動でピックアップするようになった結果なのです。


第二章:「証拠」は、あなたの脳が作り出している

「良いことが起きる」と信じ始めると、なぜか良いことばかりが続くように感じる。
これは、私たちが以前取り上げた「確証バイアス」の働きです。
脳は、一度信じたことを裏付ける「証拠」を、無意識に探し始めます。そして、曖昧な出来事さえも、「これは、引き寄せがうまくいっているサインだ!」と、自分に都合よく解釈するのです。

RASで「チャンス」が目につきやすくなり、確証バイアスで「うまくいっている証拠」ばかりが集まる。これが、「引き寄せの法則は本当だ!」と感じる、強力な心理的メカニズムです。


第三章:「行動」こそが、本当の“引き寄せ”

「引き寄せの法則」を実践する人は、自分の願いを紙に書いたり、繰り返し口に出したりします。
この行為は、「目標設定」「自己暗示(プライミング効果)」として、脳科学的に非常に有効です。
明確な目標が脳にインプットされると、脳はそれを達成するための行動を、無意識のうちに選択し始めます。

つまり、「宇宙が、あなたのために何かをしてくれる」のではなく、「あなたの脳が、目標達成のために、あなた自身を動かし始める」のです。


【まとめ】「引き寄せの法則」の、正しい使い方

「引き寄せの法則」とは、オカルトや魔法ではありません。
それは、

  1. RAS(脳の検索エンジン)に、欲しいもののキーワードを明確にインプットし、
  2. 確証バイアスを利用して、自分のモチベーションを高め、
  3. 目標達成のための行動を、無意識レベルで促す

という、非常に高度な「脳のセルフプログラミング術」なのです。
ただ願うだけでなく、脳の仕組みを理解して、賢く使いこなすこと。それが、あなたの願いを現実に変える、最も科学的なアプローチです。