ネガティブ思考は悪いもの、ポジティブ思考はいいものと考える人もいるかもしれませんが、ネガティブ思考が止まらない時は誰でもあることじゃないでしょうか?
『フィッシャーの「超」成長株投資―普通株で普通でない利益を得るために』の著者で、偉大な投資家「フィリップ・A・フィッシャー」さんも、とんでもなく心配性だったようです。
なんなら、あらゆることに対して心配をすることで安心を得ていたようです。
実は、「ネガティブ思考」そのものは、いろいろなリスクに備えようとするための脳のシステムなんです。
ネガティブ思考の起源
「ネガティブ思考」は、人間がまだ、狩猟を中心とした生活をしていた頃、命を守るためのシステムとして大活躍していました。
その当時は、「死」が今よりも身近にあり、1つ選択を間違うと命を落とすようなこともあったそうです。
そんな状況なので、ネガティブ思考を持っていなければ生き残れなかったんですね。
だから、「ネガティブ思考」は、本来、人の命を守ってくれるものだったわけです。
とはいえ、ネガティブだし
そうはいっても、あんまりネガティブが続くと、それはそれで嫌ですよね。
そして、今は当時ほど、死と隣り合っているわけでもありません。
少なくとも日本では。
そのため、現在では、ネガティブ思考が本来の役割を果たす機会がだいぶ少なくなってきてしまっています。
今では、「ネガティブは良くない」とか「ポジティブに考えよう」とか、そういった感じで「ネガティブ思考を撲滅しようとする」傾向になってきている気がします。
ちょっとかわいそうですね。
ネガティブ思考は追い払えないし、追い払おうとするとストレスになる
「しろくま効果」で追い払えない
「しろくま効果」というのがあります。
『これから、「しろくま」のことを考えないようにしてください。』
という指示をしたときに、必ず「しろくま」のことを考えてしまうという効果です。
これは、「しろくま」に限ったことではありません。
ヒグマでもツキノワグマでも同じことが起こります。
もちろん、「ネガティブなこと」もです。
自己一致できず、ストレス
「自己一致」とは、「ありのままの感情を受容していること。」です。
例えば、真夏の暑いときに、「暑い、暑いわ!」と感じている状態です。
暑いときに、「暑い」と感じているので、自己一致しているといえますね。
では、
真夏の暑い日に、「この暑さがあるから、家に帰ってから飲む一杯の水が最高に美味しくなるのだ!」
と、考えるようにしたらどうでしょうか?
もちろん、本当にそう思っているのであれば、自己一致していることになります。
ただ、そうでなかった場合、「自己一致できていない」状態になります。
「自己一致できていない」ということは、「自分に嘘をつく」ことになります。
これは、相当ストレスになります。
これは、ネガティブ思考に対しても同じことが言えます。
例えば、生理的に受け付けない人がいたとして、このネガティブ思考をなんとかしようとして、「自分はあの人が好き」と考えようとした場合、自己一致していない状態になってしまうので、ストレスになってしまうんですね。
じゃあ、ネガティブ思考をどうすればいいの?
見守る
まずは、ネガティブな思考を「見守る」です。
例えば、「暑い」ということに対して、その感情を肯定も否定もせず、「今、自分は暑いと感じている。」という感じで、見守ります。
この、肯定も否定もせず、「見守る」というところが大切です。
「暑い」→「嫌だ」ではなく、「暑いと感じている」ということだけに目を向けてあげることで、自己一致を図ればいいわけです。
自分ではどうにもならないことはたくさんありますから、そういうものにいつまでもあーだこーだいったり、いつまでもくよくよしていると精神衛生上良くないですからね。まずは、そういう出来事や感情が湧いたことを認めてあげることが大切なんです。
別のことをする
人は、2つのことに同時に意識を向けることができません。
もし、ネガティブな思考になったときには、別のものに意識を向けるようにしてみるといいです。
例えば、「暑い」と感じたときに、テトリスをしてみるとか、好きな動画を見るとか、とにかく、何か別のことに意識を向けるようにすると、ネガティブ思考が忘れ去られていくことになります。
嫌なことが繰り返し思い出されるような時は、特に有効なので、何か、自分の好きなことに意識を向けてみるようにしてみましょう。
後回しにする
人は、意外と忘れやすい生き物です。
ネガティブ思考になった時に、「明日の7時にもう一度このネガティブ思考について考えるようにしよう。」というふうにすると、意外と後回しにできます。
または、手帳にスケジュールとして、そのネガティブ思考について考える時間を明確に記入してしまってもOKです。
とにかく、後回しにしてしまえば、ネガティブ思考が弱まったり、あるいは、忘れてしまったりすることになるので、後回し作戦は有効です。
逆に、やったほうがいいことについても、後回しにすることで、やる気が失せてしまったりします。
例えば、「勉強しよう!」と思ったとして、「夕方、ご飯を食べてから。」とかにしてしまうと、ご飯の食べ終わる頃には、「勉強しよう!」という気持ちは無くなってしまっている可能性が大きいです。
とりあえず、後回しにすると、いいことも悪いことも、だいたい薄れてきます。
ネガティブなことは後回しに、ポジティブなことは今すぐするようにしましょう。
まとめ
ネガティブ思考は、完全な悪ではありません。
それなりに意味のある脳のシステムです。
ただ、ずっとネガティブ思考だと疲れてしまいます。
なので、そうならないようにするために、次のことを意識しましょう。
- ネガティブ思考に対して肯定も否定もしない。
- ネガティブ思考になったときに、別のことに意識を向けるようにする。
- ネガティブ思考を後回しにする。
もし、ネガティブ思考に疲れてしまった時は、ちょっとやってみてください。
参考文献
もしアドラーが上司だったら
著者 小倉 広
私がこの記事を書いたよ!
テリー
いつも自由にやらせてもらってますが、最近、健康のことにも気を使わないとなと思い、ブログを書きながら、自分自身も健康に対する意識を高めてみようかなと考えています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を持っているので、体のことや健康のことにはそれなりに詳しいです。 なぞなぞと手品が大好きです。
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