いくら寝ても「疲れ」がとれない。
昔は寝て、起きたら疲れなんか感じなかったのに…
そんなふうに感じたりしている方はいませんか?
「疲れ」と聞くと、重労働とか、肉体労働とか、激しいスポーツとか、そんなのが原因になると思われがちですが、必ずしも、それが原因になるわけではないんです。
疲れには、「身体の疲れ」と「脳の疲れ」の2つがあります。
疲れをとるためには、この2つの「疲れ」をとればいいわけです。
「身体の疲れ」はじっとしたり、寝たりするととれます。
でも、「脳の疲れ」は、それだけではとれません。
そこで、「脳の疲れ」をとるための考え方とその方法をお伝えしたいと思います。
「疲れ」とは何か?
「疲れ」というのは、脳で感じる感覚です。だから、疲れと脳は深く関係しています。
例えば、運動をして筋肉を動かすと、血液中に乳酸と呼ばれる疲労物質が増えます。乳酸の作用により、筋肉の痛みやだるさを感じます。その結果、運動の負荷を減らしたり、中断したりといった、筋肉を休める行動をとるようになります。
ここで気をつけてもらいたいことが2つあります。
1.乳酸は悪いやつではない
2.疲れを感じるのは脳
ということです。
まず、乳酸についてですが、血液中に乳酸が増えると疲労感や痛みを感じることになりますが、これは、そのことによって、「筋肉を休ませてやってくれーい!」と訴えているんです。さらに、乳酸は、使いすぎた筋肉の周いの血管を拡張させ、血流を増やしてくれます。これによって、筋肉の修復を促してくれるので、悪者ではなく、いいもんなんです。
次に、疲労という感覚ですが、これは、筋肉が感じるわけではありません。筋肉がエネルギー切れや損傷を起こしても、筋肉は、脳の命令に従い続けます。エネルギーが無かろうが、傷つこうが、脳の命令に応えるために、動こうとします。でも、そんなことを続けたら、筋肉はだめになってしまって、最悪の場合、死に至ります。そうならないように、脳が「疲れ」や「痛み」ということで筋肉の状態をふわっと把握し、「ちょっつ休憩しよう。」ということになるわけです。
疲れは、体をメンテナンスするためのシステムなんですね。
脳も疲れる。
上述のとおり、筋肉が活動限界をむかえそうになったら、脳がそれを感じ取って、体を休ませようとします。
また、脳も筋肉と同じように疲労し、疲れを感じることがあります。
脳は筋肉と違って、運動したはしないので、損傷するということはありません。でも、疲労するんです。
脳が疲労するのは、次のような時です。
・脳が働きすぎてエネルギー切れ
です。
脳は、ニューロンと呼ばれる細胞の集合体です。ニューロンとニューロンがつながる部分をシナプスと呼びます。脳が働くというのは、ニューロン間でのやり取りが活発になるということです。つまり、シナプスが活性化するということです。
シナプスで情報がやり取りされるときにセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質と呼ばれる化学物質が消費されます。これが消費されすぎて枯渇してしまうと、「疲れ」を感じることになります。また、筋肉と同じように、脳の活動にもブドウ糖(グルコース)が消費されます。これが不足しても「疲れ」を感じます。
とりあえず、脳を活動させすぎると疲れるんですね。
寝ても回復しない脳の疲れ
じゃあ、どうすれば疲れがとれるのかということですが、体の疲れは寝たり、安静にしたり、とにかく体を休ませればとれます。ただ、脳の疲れは、寝たり、休ませたりしても取れません。
体を動かしたりしてないのになんだかだるい。何もやる気がしない。
そんな状態がしばらく続くのであれば、それは、体の疲れではなく、脳の疲れかもしれません。
脳の休ませ方
次に、脳の疲れをとる方法を紹介するので、謎の疲れで困っているなら、試してみる価値はあるかもしれません。
(1)基本はDMNの活動を抑えること
脳も筋肉と同じようにエネルギーを消費しすぎると疲労します。
脳の中で特にエネルギー消費が大きいのがDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)というシステムです。
ぼーっとしていても、おそらく、なんやかんやあれこれ考えてしまうことがあると思いますが、これはDMNの働きです。脳の全消費エネルギーの多くの割合がここに使われるので、ここの活動を抑制することが脳の休息につながリます。
(2)心を無にすれば脳は休まる
目を閉じて1分間何も考えないようにしてみてください。
(3)無は難しいので、省エネにがんばる
もし無になることができたら、それはそれでOKです。それを夜寝る前や朝起きた時、休憩時間等にやってもらえば脳が疲労することはありません。
でも、心を無にするのはなかなか難しいと思います。なので無になれなければ、呼吸に意識を向けるようにしてみてください。
息を吸うとき、吐くときの空気の流れやお腹の動きに意識を向けることで、周りの物音やいろんな心の声なんかが気にならなくなってきます。
そうなれば、DMNの活動を抑えることができたことになります。
もし、周りの物音に気を取られてしまっても、そのことに気づいて、再度、呼吸に意識を戻せばいいんです。
(4)マインドフルネスについて
この、呼吸に意識を向けるという方法は、マインドフルネスの基本技法です。
マインドフルネスとは、物事に評価や判断を加えずに、今に意識を向けることで、脳と心を休ませる技術群のことです。これは、オカルトではなく、科学的に効果が証明されていて、グーグルなどの大企業でも、社員の仕事効率を高めるために取り入れられたりしているようです。
最後に、マインドフルネスの効果として次のようなものがあるみたいです。
- 集中力の向上
- 感情調整力の向上
- 自己認識の変化
- 免疫機能の改善
最初は1分でも結構大変かもしれませんが、続けていれば、20分、30分とできるようになってくるみたいなので、興味があったら試してみてください。
まとめ
疲れがとれない、やる気が出ない、そんな時は、夜寝る前に呼吸に全集中する!
参考文献
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
著者: 久賀谷 亮
私がこの記事を書いたよ!
テリー
いつも自由にやらせてもらってますが、最近、健康のことにも気を使わないとなと思い、ブログを書きながら、自分自身も健康に対する意識を高めてみようかなと考えています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を持っているので、体のことや健康のことにはそれなりに詳しいです。 なぞなぞと手品が大好きです。
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