【顎の筋肉】侮ってはいけない地味に重要な「咀嚼筋」の話

【顎の筋肉】侮ってはいけない地味に重要な「咀嚼筋」の話

 肩こりの時、ついつい肩に手を当ててぐりぐりしたり、湿布をはったりすると思います。

 でも、その原因が「顎」にあるかもしれません。

 ちょっと地味だけど、意外と大事な顎の筋肉について説明していきます。

咀嚼筋がこりやすい生活とは?

 咀嚼筋とは噛みしめる(咀嚼「そしゃく」)するときに使う筋肉のことです。

 これは、顎の周りにある筋肉です。

 側頭筋(そくとうきん)、咬筋(こうきん)、外側翼突筋(がいそくよくとつきん)、内側翼突筋(ないそくよくとつきん)の4つの筋肉をひっくるめて、「咀嚼筋(そしゃくきん)」と言います。

「PTOT国家試験対策ブログ」より

 この筋肉が「こる」と体に不調が出てくる可能性があります。

 次の三つに心当たりはありませんか?

  • 「気がついたら歯を食いしばっている」
  • 「スマホを長時間ながめている」
  • 「背中を丸めてパソコン作業をしていることが多い」

 以下に、これらの症状とそのメカニズム、対処法を紹介します。

顎と肩の意外な関係

 耳の穴の前あたりに指をあてて、口を開けたり閉じたりすると、指をあてているあたりが動くのがわかると思います。

 そこを「顎関節(がくかんせつ)」と言います。

 その関節の周りにあるのが、「咀嚼筋(そしゃくきん)」です。

 どんな関節でも、その関節を取り巻く筋肉があります。

 筋肉は、単に関節を動かすだけではなく、関節を保護する役割も果たしています。

 そのため、関節になにかトラブルがあれば、それを保護するために、関節の周りの筋肉の緊張が高まります(力が入って硬くなります)。

 この筋肉の緊張は反射的に周囲の筋肉にも伝播します。
 顎と肩は、比較的近いこともあり、顎のトラブルで肩がこり、肩のトラブルで咀嚼筋がこるといったことも起こっています。

耳鳴りと咀嚼筋と顎関節

 耳と顎関節は非常に近い場所にあります。

 顎の骨がずれたり、歪みがあると、耳の内部にまで影響をおよぼす可能性があります。

 また、咀嚼筋の一つに、「外側翼突筋」と呼ばれる筋肉があります。

 外側翼突筋は、顎関節の周囲に付着していて、耳のすぐそばにあります。

 顎関節に異常がある場合、下顎が奥に押し込まれ、その影響が内耳器官(耳の奥の音を感じ取るカタツムリ型の部分)にまで及ぶと、その働きが損なわれて「耳鳴り」が起こることになります。

 耳鼻科で検査しても、脳の検査をしても異常がない、「原因不明の耳鳴り」の場合、咀嚼筋や顎関節に問題がある可能性があるわけです。

  • 口が開けづらい
  • 逆に大きく開きすぎる
  • 顎を動かすとカクカク音がする

 そんな自覚症状がある場合は注意が必要です。

免疫と咀嚼筋(そしゃくきん)

 免疫は、体の外から細菌やウイルスなどが体内に侵入してきたときに排除し、体を正常に保ためのシステムです。

 咀嚼筋は、この免疫とも関係があります。

 咀嚼筋(そしゃくきん)は様々な神経の経路上にあります。

 そのため、咀嚼筋のコンディションが体全体の機能に関与してくることもあります。

 また、咀嚼筋がほぐれると免疫力がアップするとも考えられています。

 免疫細胞は加齢により減少し、少しずつ機能が低下していきます。

 しかし、自律神経のバランスをよい状態に保つことで、免疫力の低下レベルを抑えることができるようです。

 「自律神経(じりつしんけい)」とは、交感神経と副交感神経の二つに大きく分けられます。

 これらの活動のバランスによって、体の内臓の機能をコントロールしています。

 咀嚼筋のコリは、この自律神経に悪影響を及ぼし、免疫力の低下を招く可能性も考えられています。

 なお、自律神経の状態を知る上で重要な指標になるのが、唾液の量であす。

 唾液の量が少ないと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れていることが予想されます。

 いつもより唾液量が少ない場合、自律神経のバランスが乱れていることが考えられます。

 この時が咀嚼筋をほぐすタイミングとも言えます。

咀嚼筋がこるメカニズム

食いしばると「こる」

 食いしばっていると、ずっと咀嚼筋が緊張するのでコリます。

長時間のパソコンで「こる」

 長時間パソコンを使っていると首や肩がこります。

 すると、咀嚼筋にも負担がかかるようになり、コリます。

寝る姿勢によっては、「こる」

 咀嚼筋にとっていい睡眠時の姿勢は仰向けです。

 逆に、うつ伏せや横向きは咀嚼筋にとって良くない姿勢です。

咀嚼筋をほぐそう

 そもそも、咀嚼筋ってどこにあるんだ?

 という話ですが、西島紘平さんの運営している「PTOT国家試験対策ブログ」に、とてもわかりやすい画像があったので、使わせてもらっています。↓

「PTOT国家試験対策ブログ」より
https://kigyou-pt.hatenablog.jp/entry/masticatory-muscle

側頭筋(そくとうきん)

 噛み締めた時にこめかみ付近で盛り上がった部分が側頭筋です。

咬筋(こうきん)

 噛み締めた時に側頭筋の下で盛り上がる部分が咬筋です。

外側翼突筋(がいそくよくとつきん)

 皮膚越しに、上の歯を後にたどっていき、歯がさわれなくなった部分で、押すと痛いところが外側翼突筋です。

 これらの筋肉を、30秒くらいでいいので、顎のあたりを軽くマッサージしてあげると、意外と肩こりとかもよくなります。

 ただし、「30秒」程度にしておいてください。

 やりすぎると、逆効果になりますので、十分に気を付けましょう。

まとめ

 咀嚼筋(そしゃくきん)をほぐすことで、肩こりや免疫力が改善する可能性があります。

 咀嚼筋が硬くなっている人で、肩こりで悩んでいたり、風邪をひきやすかったりする方は、咀嚼筋をほぐしてみるといいかもしれませんね。

私がこの記事を書いたよ!

テリー

いつも自由にやらせてもらってますが、最近、健康のことにも気を使わないとなと思い、ブログを書きながら、自分自身も健康に対する意識を高めてみようかなと考えています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を持っているので、体のことや健康のことにはそれなりに詳しいです。 なぞなぞと手品が大好きです。

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