【雑学】AGA(男性型脱毛症)の本当の原因とは?

 「AGA」とは、”Androgenetic Alopecia”のことで、日本語では、「男性型脱毛症」といいます。

 男性のいわゆる「ハゲ」は、一種の生理現象です。

 つまり、体が病的な状態になっているわけではないんです。

 だから、通常、「脱毛症」とはいわないんです。

 ですが、この「AGA」は「脱毛症」といわれるように「病的」な状態が体の中で起こっている状態です。

 今回は、そんな男性型脱毛症についての雑学を紹介していきます。

AGA(男性型脱毛症)と男性ホルモン

「脱毛症には男性ホルモンが関与していて、この作用を取り除くことができれば、脱毛症を治療できます!」

 という話もあるが、これは、半分ホントで半分はウソだったりします。

ホントの部分

 今から50年以上前に、ハミルトン・ノーウッド分類(脱毛症のタイプ分離)でお馴染みの米国のハミルトン・ノーウッドさんの調査で次のようなことが報告されました。

  • 男性型脱毛症が、去勢された人には現れないこと
  • 去勢した時点で、男性型脱毛症の進行がとまること
  • 去勢後、家族的素因のある人ではテストステロン投与により、男性型脱毛症が再び進行すること

 この報告が、

 「男性ホルモン = ハゲる」

  に変換され、一般的に広まったものと考えられます。

 そのため、「男性ホルモン = 悪いもの」といった構図が生まれているものと思われます。

ウソの部分

1960年後半になって、BruchovskyさんとWilsonさんの研究報告により、

「前立腺では、テストステロンではなく、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンが分泌されている。」

 ということが明らかになりました。

 どうやら、男性型脱毛症の原因は、「テストステロン」ではなく、この「ジヒドロテストステロン(DHT)」らしいということがわかってきました。

テストステロンってなに?

 テストステロンは、男性ホルモンのうち、最も強い作用をもつホルモンです。

 主に精巣で作られ、第二次性徴(思春期のあたりの体の変化)の発現やタンパク質同化(タンパク質を体内に取り込むこと)などの作用があります。

 また、筋肉を増やす作用もあります。

 筋力や筋持久力の増強を目的とした、テストステロンの過剰摂取により、副作用やドーピングなどが問題になっています。

 テストステロンの量と男性型脱毛症はある程度関係していて、テストステロンが多いほど症状が起こりやすいことがわかってきています。

 しかし、そうかといって少なければ男性型脱毛症が起こらないかといえば、そういうわけでもないことがわかってきています。

 そして、大事なのが、「5α還元酵素(5-αリダクターゼ)」の作用です。

 テストステロンは、この5α還元酵素の作用によって、ジヒドロテストステロンに変換されることになります。

ジヒドロテストステロン(DHT)

 「ジヒドロテストステロン(DHT)」は、前立腺で作られるホルモンです。

 前立腺は、男性特有の器官で、膀胱の下にあります。

 そして、前立腺で作られる「ジヒドロテストステロン(DHT)」というホルモンが、男性型脱毛症の原因として注目されています。

 このホルモンは、テストステロンが少ないほど分泌が促進されることがわかっています。

5α還元酵素(5-αリダクターゼ)

 「テストステロン」を「ジヒドロテストステロン」に変換する酵素です。

 老化により分泌が促進されることがわかっています。

 また、前立腺肥大の原因ともなっています。

男性型脱毛症とテストステロン

 5α還元酵素のない状態では、テストステロンは無害であるばかりか、むしろプラスに働くため、

 「テストステロンは全く悪くありません。」

 そして、テストステロンがジヒドロテストステロンになるのを抑制するために、「5α還元酵素阻害薬」を用いることもあります。

 「プルンバギン」と呼ばれる成分が有効であることがわかってきています。
 

男性型脱毛症と頭皮について

 頭皮の硬さと脱毛症には深い関わりがあり、ここを改善することで、症状の改善にもつなげることができるといわれています。

頭皮が硬くなる原因

  • 長時間同じ姿勢をする
  • 乾燥
  • 偏りのある食生活
  • 髪型

 等により、組織の柔軟性が低下したり、血流が悪くなったりすることが原因になります。

 例えば、一日中、エアコンの効いた部屋でパソコンに向かって作業し、ファーストフードしか食べない生活を続けると頭皮が硬くなってきます。

頭皮が硬くなるとどうなるのか?

 頭皮が硬くなると血流が悪くなります。

 そうすると、毛髪周りの栄養供給が不十分になり、毛髪が細くなったり、抜け毛が増えたり、白髪が増えたり、はりやつやが無くなったりといったことが起こってきます。

 また、頭痛や首こり、肩こり、目の疲れなどの症状も、頭皮が硬くなることで引き起こされることになります。

まとめ

 男性型脱毛症(AGA)を予防するために、男性ホルモンを避け続けるのは、誤った行動です。

 予防のために、日常生活でできることは、

  • 適度な運動
  • 良い食生活
  • 規則正しい生活

 です。

 もちろん、これで、急にふさふさになるというわけではありません。

 ただ、長期的な視点で考えると、この3つは、非常に重要です。

適度な運動

 運動により筋肉が増えたりすることで、テストステロンが増えます。

 そうすると、ジヒドロテストステロンの分泌が抑制されるので、脱毛症の予防につながります。

良い食生活

 バランスの取れた食事をすることで、ホルモンバランスを保つことができます。

 すると、若い状態をキープすることができます。

規則正しい生活

 規則正しい生活、特に睡眠のリズムはホルモンバランスに大きく影響を与えます。

 規則正しい生活をすることで、ホルモンバランスを安定させ、良い状態をキープできます。

これはやめておいた方がいい

 女性ホルモンを増やそうとする行動はしない方がいいです。

 例えば、イソフラボンが含まれる豆類を大量に摂取したり、脂肪が多いと女性ホルモン作られやすいということで、必要以上に脂肪をつけるような行動はしない方がいいです。

 女性ホルモン(エストロゲンとか)は、テストステロンの分泌を抑制したりするので、この状態で、ジヒドロテストステロンが増えてこられると、症状を促進させてしまうことになります。

 なので、無理に女性ホルモンを増やそううとする行動は避けた方がいいです。

 

 そして、症状が気になったら、皮膚科で相談してみるのが最善の選択かなと思います。

私がこの記事を書いたよ!

テリー

いつも自由にやらせてもらってますが、最近、健康のことにも気を使わないとなと思い、ブログを書きながら、自分自身も健康に対する意識を高めてみようかなと考えています。あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を持っているので、体のことや健康のことにはそれなりに詳しいです。 なぞなぞと手品が大好きです。

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