- 心理学・脳科学
- 2025年11月14日
【脳のワナ】なぜ、あなたの人生は「AかBか」の二択ばかり?“認知コスト”が仕掛ける「思考のショートカット」を解体する
導入 「安定した仕事か、情熱を追うか」「お金を貯めるか……

「自分でやった方が早い」
「忙しい相手に、これ以上迷惑をかけたくない」
そう思って、一人で仕事を抱え込んでいませんか?
責任感が強く、優秀な人ほど陥りがちなこの思考。実は、「人に頼らない」ことは、優しさのようでいて、「相手の活躍の場(貢献感)」を奪っているのかもしれません。
今回は、人に助けを求めることを「弱さ」ではなく「技術」として捉え直す、『受援力(じゅえんりょく)』の世界へご案内します。
「頼み事をしたら、嫌われるんじゃないか?」
その不安を覆す、有名な心理法則があります。「ベンジャミン・フランクリン効果」です。
アメリカ建国の父、フランクリンは「人は、自分が助けてあげた相手のことを好きになる」という心理を発見しました。
脳は、行動と感情の矛盾を嫌います。「助ける」という親切な行動をした事実に対し、脳は「私はこの人を助けた。ということは、私はこの人のことが好きなんだ(価値があるんだ)」と、後付けで感情を調整するのです。
つまり、上手に頼ることは、相手に「あなたを好きにさせる」最強のハックなのです。
しかし、何でも頼めばいいわけではありません。
「あいつ、また丸投げかよ…」と嫌われる人と、「よし、力になろう!」と思われる人。
その決定的な違いは、「相手へのリスペクト(事前努力)」があるかどうかです。
「自分で汗をかいた分しか、相手は力を貸してくれない」
これが、大人の受援力の鉄則です。
では、具体的にどう頼めばいいのでしょうか。スマートな手順をご紹介します。
「誰でもいいんだけど」は禁句です。
「この分野に詳しい〇〇さんだからこそ、聞きたいんです」と、相手の専門性や強みを承認しながら頼みます。
いきなり大きな仕事を頼むのではなく、まずは「5分だけ知恵を貸してほしい」「この資料の感想だけほしい」と、ハードルを極限まで下げます。まずは相手に「助ける快感」を味わってもらうことが先決です。
「忙しいのにすみません」と謝罪で終わると、相手の脳には「負担をかけられた」という記憶が残ります。
「おかげで助かりました、ありがとう」と感謝で締めくくれば、相手の脳には「貢献できた」という喜びが残ります。
「自立」とは、何でも一人でやることではありません。
困った時に、頭を下げて「助けて」と言える「依存先を増やせること」こそが、本当の自立であり、大人の強さなのです。
一人で抱え込むのをやめて、あなたの周りにいる人たちに、「頼る」というプレゼントを贈ってみませんか?